トランプ前大統領の弾劾裁判 始まる

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米下院の弾劾管理人は1月25日、トランプ前大統領に対する弾劾条項を正式に上院に送付した。

2021/1/14 トランプ大統領 2度目の弾劾訴追

米上院では1月26日に上院議員100人全員が陪審員役としての宣誓を行った。

前回のトランプ大統領の弾劾裁判では、John Roberts最高裁長官が裁判長となったが、今回はトランプは前大統領であるため、上院仮議長(the president pro tempore )のPatrick Leahy 上院議員が裁判長を務める。

憲法第1章第3条第6項
すべての弾劾を裁判する権限は、上院に専属する。この目的のために集会するときには、議員 は、宣誓または宣誓に代る確約をしなければならない。合衆国大統領が弾劾裁判を受ける場合には、最高裁判所長官が裁判長となる。何人も、出席議員の3分の2の同意がなければ、有罪の判決を受けること はない。

宣誓の後、共和党のRand Paul 上院議員が、退任して民間人となったトランプ前大統領の弾劾裁判は「違憲」とし、弾劾裁判自体の合憲性を問う動議を提出した。

これに対し、民主党Chuck Schumer 院内総務は、退任すれば弾劾されないなら、弾劾されるべき大統領に憲法が免罪符(get-out-of-jail-free card)を与えることになるとして反論した。

退任後の弾劾は "late impeachment"と呼ばれるが、異論はあるが、違憲でないとするのが一般的である。大統領弾劾では先例はないが、閣僚では辞任後に弾劾訴追された例がある。

1876年に米下院は陸軍大臣のWilliam Belknap を収賄で弾劾しようとしたが、BelknapはWhite Houseに行き、辞表を提出した。

しかし下院は弾劾で告発し、上院は、辞任しても許されない、さもないと、弾劾されそうになると辞任して逃げてしまうとして裁判を行った。結果は37対29で、3分の2を得られず、無罪となった。

Rand Paul 上院議員が提案した動議を棚上げにする採決が行われ、55対45で棚上げが決まった。共和党からは5人が民主党に同調した。

  共和党 民主党 民主系
無所属
合計
賛成 5 48 2 55
反対 45 45

合計

50 48 2 100

弾劾裁判は2月9日から実質的な審理が始まる。

有罪には出席議員の2/3の賛成が必要で、共和党から17名の造反が必要である。Rand Paul 上院議員は26日の採決で5人しか造反がなかったため、「弾劾裁判はもはや終わったも同然だ」と宣言した。

しかし、反対した共和党議員の中には弾劾裁判での投票とは別であるとする議員もいる。

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トランプ氏は弾劾裁判に対応する弁護士チームを集めつつあり、防御戦略をサウスカロライナ州コロンビアのButch Bowers 弁護士と練り始めた。
情報筋によると、トランプ氏は弁護士探しに苦労している。いくつかの法律事務所は報酬を受け取れるのか疑念を抱いているほか、死者が出た議事堂事件とのつながりを回避したいとの思惑を持つところもあるという。

顧問弁護士の Rudy Giuliani 氏は、議事堂乱入事件直前の支持者集会に自らも参加していたことを理由に弁護を担当しない考えを明らかにした。

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