JERA、「脱炭素」でマレーシアのPetronasと協業

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東京電力と中部電力の既存の火力発電事業等を統合して2015年に発足した国内最大の発電事業者である JERAは2月10日、マレーシアの国営石油・天然ガス会社であるPetroliam Nasional Berhad(Petronas)との間で、脱炭素分野等での協業に関する覚書を締結したと発表した。

再生可能エネルギー由来の電力でアンモニアや水素を製造することを目指す。

JERAは2020年10月に「JERAゼロエミッション2050」を発表した。

ゼロエミッション火力の鍵となるアンモニアや水素等のグリーン燃料のサプライチェーンを構築するためには、様々な有力企業が協力していくことが不可欠だが、世界有数の燃料生産者で、約40年の間、LNGの売買を通じて良好な関係にあるPetronasとの間の協力関係を強化することは、互いの事業機会の拡大のみならず、国際的なエネルギーの安定供給や脱炭素社会への移行にも寄与できるものと考えた。


Petronasは
アジア有数のアンモニア(化石燃料からつくる
Grey ammonia) の製造事業者でもあり、グリーンアンモニア・水素の製造についても検討を進めていることから、LNG分野、脱炭素分野それぞれにおいて協業できる事業が多くあると考えた。

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JERAは2020年10月に「JERAゼロエミッション2050」を発表した。

①再生可能エネルギーとゼロエミッション火力の相互補完

 再生可能エネルギーの導入を、自然条件に左右されず発電可能な火力発電で支える。

 火力発電については発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力を追求する。

 2040年代にはアンモニアだけを燃料とする発電設備を稼働させる。


②国・地域に最適なロードマップの策定

 まず日本国内事業のロードマップを策定し、他の国や地域へも順次展開をしていく。


③スマート・トランジションの採用

 イノベーションにより利用可能となった信頼のおける技術を組み合わせることで実現する。低い技術リスクで円滑にグリーン社会への移行を促す。

  化石燃料由来のアンモニアをグレーアンモニアと呼ぶ。

  ブルーアンモニアは、化石燃料由来であるが、CO₂のオフセットされているカーボンニュートラルな燃料


参考

2016/7/25  アンモニアから燃料電池自動車用水素燃料を製造 アンモニアを燃料とした燃料電池による発電も
2018/10/25 日揮、再生可能エネルギー由来の水素を用いたアンモニア合成と発電に世界で初めて成功

2019/10/15 つばめBHB、エレクトライド触媒を用いたアンモニア製造パイロットプラント 竣工
2020/3/21  低温で速く進む化学反応(非アレニウス法則)の発見
2020/5/5   50 ℃で水素と窒素からアンモニアを合成する新触媒

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