ObamaCareと Medicaid をトランプが大統領になる前の状態に戻す。トランプ前大統領は、これらの資格のある人に近づきにくく、より高価に、より難しくしたとし、「トランプ氏が与えた損害を元に戻す (to undo the damage Trump has done)」と述べた。
また、米国と世界の女性と少女の性と生殖に関する健康と権利を支援に関する大統領令を出した。
1. 医療保険
Executive Order on Strengthening Medicaid and the Affordable Care Act
2010年3月に医療保険改革法 Affordable Care Act(通称 ObamaCare、正式にはPatient Protection and Affordable Care Act )が成立した。
中・低所得者層に対する政府の補助を拡大し、保険会社が持病を理由に加入を拒否できないよう規制を強化した。
その後の10年間で、新たに2000万人が保険に加入できるようになり、重要な消費者保護を1億人以上に拡大し、国の医療制度を強化および改善した。
しかしながら、本来対象となるべき何百万人もの人々は無保険のままであり、保険給付の取得は必要以上に困難な状態である。
トランプ前大統領は ObamaCareに強く反対し、医療保険に加入するための要件を厳しくするなどした。
このため、MedicaidとAffordable Care Act を守り、強化し、すべてのアメリカ人が高品質の医療を利用しやすく、かつ、手頃な価格にすることが政権の方針であるとする。
コロナ渦のなか、30百万人以上(特に黒人、ラテン系など)が保険に入っていない状況に鑑み、特別加入期間を設定し、国のFederally Facilitated Marketplaceを通して加入させる。
関連省庁の規定、ルールその他をチェックし、不都合があれば改善する。
運営するウェブサイトを再開したり、低所得者向けの公的医療保険 Medicaidへの加入要件を緩和する。
トランプ時代の大統領令で不都合なものを取り消す。
2017/1/20 Minimizing the Economic Burden of the Patient Protection and Affordable Care Act Pending Repeal
2017/10/12 Promoting Healthcare Choice and Competition Across the United States
2.女性と少女の性と生殖に関する健康と権利
2017年1月23日、トランプ米大統領はいわゆる「メキシコ市政策(Mexico City Policy)」に関する大統領令を出した。共和党選出の前職大統領達が1984年以降採択してきた政策を復活させ、更に拡大させるもので、人工妊娠中絶について米国外で助言や医療機関の紹介を行う国際的な非営利団体(NPO)に米政府が資金援助することを禁じるもの。
1984年にRonald Reagan 大統領が採択したが、同年に人口問題・持続的経済成長・持続可能な開発をテーマとする国連主催の国際人口開発会議がメキシコ市で開催されたので、この名を採った。
バイデン大統領は、この「メキシコ市政策」を撤回する文書に署名した。 「米国と世界の女性と少女の性と生殖に関する健康と権利を支援するのが、わが政権の政策だ」と記されている。
It is the policy of my Administration to support women's and girls' sexual and reproductive health and rights in the United States, as well as globally.
また、中絶に関する援助を規制すれば「女性の健康や、性別に基づく暴力の予防・被害者救済プログラムに対する政府の支援の幅が狭まり、世界で男女平等を推進する米国の取り組みが台無しになる」と指摘している。
署名したのは、毎年恒例の妊娠中絶反対デモ「March for Life(命のための行進)」が行われる前日。
民主党の支持者らの多くは、中絶の権利を支持しているが、バイデン氏は敬虔なカトリック教徒で、これまで中絶問題には慎重な姿勢を取り、中絶という言葉にもめったに言及してこなかった。
中絶は米国の世論を二分する問題で、大統領就任からわずか数日で政治的な反発が広がる恐れもある。
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