関西医科大学は2022年4月に「光免疫療法」で世界初の研究所を設立する。開発者で所長に就任する米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員は4月12日、現在対象の顔や首のがんに加え「乳がんなどへの適用も検討する」と話した。
米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆・主任研究員らの研究チームは2011年11月6日のNature Medicine で初めて「光免疫療法」を報告した。
がん細胞に結びつきやすい特徴を持つ薬を投与した後、患部に赤色光を当てると、薬が光に反応してがん細胞が破壊される。光は熱を持たず、体に当てても害はないとされる。また動物実験などのデータから、この治療によって体内の免疫が活発になり、転移したがんも治癒できる可能性があると考えられている。
2016/8/22 光免疫療法による癌治療
楽天メディカルは2020年6月29日、がん細胞をピンポイントで攻撃する「がん光免疫療法」に使う医薬品と医療機器について、「条件付き早期承認制度」に基づき厚生労働省に承認申請をした。対象は、舌がんや喉頭がんなどの頭頸部がんが再発した患者で、この治療法に使う医薬品と医療機器を承認申請するのは世界で初めて。
2020/7/1 楽天メディカル、「がん光免疫療法」の医薬品と医療機器の承認申請
関西医大が新設する光免疫医学研究所は「光免疫療法」や「免疫」などの3部門に分かれ、約30人が在籍する予定。
現在は外からレーザーを当てやすい頭頸部がんに限られているが、対象を患者数が多い大腸がんや皮膚がんに広げたり、副作用を抑えたりするための研究を進める。
所長に就任する小林氏は「まず乳がんや食道がん、子宮頸がんが対象として有望。将来的にはがん患者の8割に役に立てるようにしたい」、「特に臨床では高いレベルで、楽天メディカルと連携したい」と話す。
楽天メディカルは光免疫療法と免疫薬を併用する治験を、米国で頭頸部がんと皮膚がんを対象に進めている。
国立がん研究センター東病院も食道がんで光免疫療法の医師主導の治験を進めているほか、胃がんでも計画中。
2019/2/25 食道がんの光免疫療法の治験
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