Johnson & Johnson、ワクチン製造でトラブル

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Johnson & Johnson は3月31日、「COVID-19ワクチン製造に関する声明」 という奇妙な発表を行なった。

J&Jは2020年初めからグローバルなパンデミックを終わらせるため、各国政府、各機関、他社と協力してきた。現時点でも、2021年末までに10億回分以上の割合でワクチンを供給できると期待している。

1回接種で済むワクチンを3月末までに米国で20百万人以上に供給できた。これは2021年上半期(出来れば5月末まで)に米国で1億人に供給する計画の部分である。

ワクチンのような製品の製造では新プロセスのスタートアップに当たり試作と品質チェックを行い、製造に問題がなく、最終製品が高品質の基準を満たしていることを確認している 。

この品質チェックのプロセスで、委託先のEmergent Biosolutions(まだCOVID-19ワクチン製造の承認を得ていない)でワクチン成分(drug substance)の1バッチが品質基準に合致していないことを見つけた 。

これは品質チェックが厳重に行われていることの証であり、FDAにも報告している。

品質管理と安全性は我々の最優先事項であり、Emergent BiosolutionsのBayview設備の緊急使用承認を得るべく、FDAやEmergent Biosolutionsと作業を続けている。

委託先のEmergent Biosolutionsでトラブルがあったことが分かるが、その内容や影響は分からない。年末までに10億回分以上の割合での供給は可能としているが、年末までに10億回分の供給ではない。
at a rate of more than one billion dosesという表現は恐らく、(当面は減産となるが)年末時点の能力がそうなるということのように見られる。

これについて、New York Timesは3月31日、情報源を明らかにせず、次のように報じた。

Johnson & Johnson の委託先のEmergent BiosolutionsのBaltimore州 Bayviewの工場は、AstraZenecaのワクチンの受託もしているが、数週間前に両社のワクチン成分を混合してしまい、Johnson & Johnsonのワクチン1500万回分が不良品となり、米国での今後の出荷が遅延する。

FDAは原因をヒューマンエラーと判断し、同工場でのワクチン生産の承認を延期した。

Johnson & Johnsonは更なる問題を避けるため、Emergent BioSolutionsの品質管理を強化する。

現在米国で使われているJohnson &Johnsonワクチンはオランダ製であるが、来月の2400万回分はここから出荷する予定であった。

FDAがEmergent BioSolutionsでのワクチン生産を認めない限り、ここからの出荷は出来ず、単にダメになった1500万回分だけの問題ではない。

Johnson & Johnson声明では、ミスが見つかったのは品質チェックが厳重に行われているためとしているが、AstraZenecaのワクチン成分を混合するなどは品質管理の基礎が出来ていないことを示している。

日本でも小林化工で水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤が混入した問題があったが、ルール通りにやっておれば、起こりえないミスである。

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