東京五輪の医療体制

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東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は日本看護協会に対し、大会期間中の医療スタッフとして看護師500人の確保を要請する文書を4月9日に送っていた。 武藤事務総長が4月26日に認めた。

競技会場、選手村総合診療所(発熱外来を含む)、選手村分村、宿泊療養施設を活動場所として示し、
参加条件や待遇を、
 ▽日数=原則5日以上
 ▽活動時間=1シフト当たり9時間程度
 ▽組織委が提供、負担=活動中の飲食、交通費、宿泊施設、各種賠償保険など――と規定したが、
日当や報酬の記載はなかった。
(当初は「原則無償」としていたが、政府や組織委は協力金を支給する方針に転換した。)

組織委の武藤事務総長は26日の記者会見で「医師や看護師に競技会場などの医務室で協力いただくのは前から申し上げている通りだ。もちろん大前提として、地域医療に悪影響を与えない必要がある。勤務時間やシフトのあり方を相談しながら、最も対応可能なあり方を相談していきたい」と述べた。

大会期間中の医療スタッフを巡っては、組織委は競技会場や選手村などの医務室で医療従事者が計約1万人必要と想定している。

競技会場や選手村では1日あたり最大で医師300人、看護師400人が必要で、新型コロナ対策でそれぞれ100人程度を見込むという。

橋本会長と武藤事務総長は4月21日 、大会期間中の医療体制などについて今月中に発行するプレーブック第2版で示すとし、関係機関と連携して最後の詰めの作業を行っているとした。

選手に行う新型コロナウイルス感染症の検査頻度について「原則的には毎日検査をしていく方向になる」と述べた。

読売新聞によるとポイントは下図の通りで、非常に厳しいもの。

当然、日本選手についても検査は必要である。実施可能だろうか。


医師や看護婦の不足で、病床はあるが患者を受け入れられない病院もある。
新型コロナウイルスの患者対応やPCR検査、ワクチン接種を巡っては、看護師の不足が問題になっている。

政府は否定しているが、自民党の下村政務調査会長は4月19日、ワクチンの接種体制が十分に整わない自治体もあるとして、希望するすべての国民の接種が完了するのは来年春ごろになる可能性があるという認識を示した。

なお、政府は4月26日、新型コロナウイルスのワクチン接種を迅速化させるため、大規模な接種会場を5月にも、東京都と大阪府に開設する方針を固めた。1日1万人規模の接種を目指す。
大規模接種ではモデルナのワクチンを使用する。東京会場について、自衛隊が設置と運営にあたるよう岸防衛大臣に指示した。5月24日を目標に設置し、3か月間、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が接種を行う。


そんななかで、毎日400人の医師、500人の看護師を長期間、 五輪のために使うなど、出来る筈がない。患者の治療が出来なかったり、ワクチン接種を遅らせるのは国民が認めないだろう。

渡航医学が専門の浜田篤郎・東京医大病院渡航者医療センター特任教授の意見を聞いている。

クリアしなければならないことが四つあるとし、①入国時検査、②大会中の検査、③出国時の検査を挙げ、④として「医療資源は本来、まず国内の感染流行への対応、次にワクチン接種への対応に使い、それでも余力があれば五輪に使う」べきであり、五輪最優先で医療資源を使うのは避けるべきとし、「私が挙げた四つをクリアできないなら、中止するしかないと思います 」としている。

④の条件をクリアできる可能性は100%無い。

健康の危機にある日本人のことを考えろとも述べている。

"This is someone's country we're going into. These are real people living in crisis. We have to be sensitive to the needs of a nation."

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