SK Innovation と LG Chem の特許侵害紛争、更に複雑に

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これについて、SKは「長年独自に蓄積してきたバッテリー技術力を認められたものだ。数年の歳月をかけてリチウムイオン電池の技術を開発した」とコメントした。「今回訴訟の対象となった特許4件のうち3件は10年前に韓国国内でも訴訟になり、SKが勝訴している」としている。

そして、「今回の決定でSKが特許権などの知的財産権を侵害していないと認定されたことで、米大統領がさきのITC決定に拒否権を行使できる名分が生じた」と述べた。またLGとの賠償金額交渉でも優位になるとしている。

LGは「今回のITCによる決定は残念だが尊重する。仮決定で分離膜のコーティングに関する重要特許は有効性が認められており、最終決定でSKによる侵害を立証したい。残りの3件でも、特許の有効性を認められるよう準備する」とコメントした。

今回の決定は、1) には直接影響を与えないが、SKによる独自の技術力がある程度認められたことになり、両社による和解金交渉や「世論戦」でSKに有利な要因になり得ると見られる。

3)のSKがLGを提訴した特許権侵害訴訟に関し、LGは2020年8月にITCに対しこの訴訟を却下することを求めていた。SKが営業秘密侵害に関連した「文書削除」をしたことを理由にしている。

しかし、ITCは4月2日、LG側の要請を棄却した。LGの要請事項は一方的な主張にすぎず、特許の件に関してはSK側の文書がよく保全されているなどの理由を挙げた。
このため、SK側が提起した特許訴訟も予定通りITCの調査を受けることになった。

ITCはSKが提起した特許訴訟の予備判決を7月30日に出す予定で、LGの特許侵害が認められる場合、LGバッテリー製品に対して米国内輸入禁止措置が取られる可能性がある。

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