主要企業の2021年3月期決算  住友化学

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単位:億円 売上高

営業損益

税引前
損益
株主帰属
損益
配当(円)
コア うち
持分法
非コア 合計 中間 期末
2019/3 23,186 2,043 372 -213 1,830 1,884 1,180 11 11
2020/3 22,258 1,327 92 49 1,375 1,305 309 11 6
2021/3 22,870 1,476 -125 -105 1,371 1,378 460 6 9
増減 612 150 -217 -154 -4 73 151 -5 3
2022/3予 26,100 2,000 -200 1,800 1,000 10 10


コア損益

18/3 19/3 20/3 21/3 増減 22/3
石油化学 946 616 145 -120 -265 360
エネルギー・機能材料 192 230 203 203 -0 190
情報電子化学 123 262 251 397 146 400
健康・農業関連 440 197 21 315 294 380
医薬品 948 808 753 717 -36 670
その他 111 94 88 128 40 110
全社 -132 -164 -134 -164 -30 -110
合計 2,627 2,043 1,327 1,476 149 2,000


コア損益のうち、持分損益は下記の通りで、大半が石油化学部門であり、石油化学部門のコア営業損益の推移(上のグラフ)と相似している。

サウジのPetroRabigh(37.5%出資)は2020年は定期修理で長期停止したため、大きな赤字を計上している。

情報電子化学は好調が続く。

健康・農業関連は飼料用メチオニンの価格低下で採算が悪化していたが、市況が上昇、海外農薬の出荷増もあり、採算向上した。

医薬品は下記、大日本住友製薬を参照。


非コア項目  大半が大日本住友製薬関連である。

合計 大日本住友製薬
2020/3 2021/3 2020/3 2021/3
減損損失 -373 -408 -352 -357
条件付対価 公正価値変動 485 225 485 225
事業構造改善費用 -78 -63
固定資産売却益 9 187 167
その他 6 -45 -20 -19
合計 49 -105 113 16


条件付対価 公正価値変動:
事業買収に当たり、買収額と純資産との差は「のれん」となるが、一定条件を満たした場合に追加支払いをする契約がある。
IFRS基準ではこの場合、買収時点で将来の追加予想支払額を「のれん」と負債に計上する。
その後、追加支払い契約分が確定した時点で、買収時に計上した「のれん」は修正せず、損益処理する。
更に追加支払いの場合はその分を費用計上、支払い不要の場合は負債を消し、利益を計上する。別途、過大であった「のれん」を減損処理する。

大日本製薬の場合、いくつかの買収で追加支払いが不要となり、買収時に計上した負債を消し、利益に計上した。合わせて、「のれん」を評価しなおし、減損損失を計上した。
大日本製薬の売却益は既に休止している茨木工場跡地の売却益である。

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大日本住友製薬

単位:億円 売上高

営業損益

税引前
損益
株主帰属
損益
配当(円)
コア うち
Sumitovant
非コア 合計 中間 期末
2019/3 4,593 773 -194 579 650 486 9.0 19.0
2020/3 4,827 720 -156 113 832 839 408 14.0 14.0
2021/3 5,160 696 -636 16 712 779 562 14.0 14.0
増減 332 -24 -480 -96 -120 -61 155
2022/3予 5,780 640 -30 610 410 14.0 14.0

大日本住友製薬は2019年10月31日、米国のRoivant Sciences との間で、戦略的提携に関する正式契約を締結し、米国に運営会社Sumitovant Biopharmaを設立した。

2019/11/4 大日本住友製薬、Roivant Sciences と戦略的提携、30億ドルを投資 

Sumitovant販売活動の本格化で、同社の販管費、研究費は増加している。

全社損益のうち、Sumitovantの 部分は下記の通り。既存製品の増収でSumitovantの費用を賄っている。

単位:億円 売上高 販間費 研究費

営業損益

株主帰属
損益
コア 非コア 合計
2020/3 0 65 90 -156 -156 -119
2021/3 78 465 246 -636 -636 -443
増減 78 400 156 -480 -480 -324
2022/3予 960 210 非開示

非コア損益については上記のとおり。

なお、同社は2021年2月12日に、多額の減損損失が発生するとして非コア営業損益を-140億円にしていたが、その後、このうちの抗がん剤TP-0903の減損損失が発生しない見込みになったとして再修正した。最終的に非コア損益は +16億円となった。



なお、同社は2005年10月1日に住友製薬と大日本製薬が合併し、大日本住友製薬となったが、2022年4月1日付で住友ファーマに改称する。

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