多額の減損損失を計上し、株主帰属損益が赤字となり、減配。
単位:億円 | 売上高 |
営業損益 |
税引前 損益 |
株主 帰属 損益 |
配当(円) | |||
コア | 非コア | 合計 | 中間 | 期末 | ||||
2019/3 | 38,405 | 3,141 | -194 | 2,948 | 2,848 | 1,695 | 20 | 20 |
2020/3 | 35,805 | 1,948 | -505 | 1,443 | 1,220 | 541 | 20 | 12 |
2021/3 | 32,575 | 1,747 | -1,272 | 475 | 329 | -76 | 12 | 12 |
増減 | -3,230 | -201 | -767 | -968 | -891 | -616 | -8 | 0 |
2022/3予 | 36,600 | 2,300 | -140 | 2,160 | 2,000 | 970 | 12 | 12 |
コア損益
18/3 19/3 20/3 21/3 増減 22/3 機能商品 940 713 613 597 -16 690 MMA 1,096 944 238 131 -107 320 石化 259 87 -21 17 38 70 炭素 124 249 81 10 -71 90 産業ガス 575 633 880 851 -29 940 ヘルスケア 812 538 165 179 14 220 その他/全社 -1 -23 -8 -38 -30 -30 合計 3,805 3,141 1,948 1,747 -201 2,300
MMA事業の損益悪化が大きい。
MMAの2020年初の国際価格(アジア地域)は1トンあたり1550ドル弱で、前年同期の2,650ドルから大幅に下落した。
最近の価格は1900円程度に上がっているとされる。
非コア損益のうち、大きなものは下記。
ヘルスケア
(田辺三菱製薬)-84,534 2019/10/18にイスラエルの中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発 を行なうNeuroDerm Ltd.を総額11億ドル(経費込み1,252億円)で買収したが、予定した収益性が低下する見込みとなり、技術に係る無形資産を減額
(詳細 2021/2/10ブログ参照)MMA
(旧 三菱レイヨン)-19,382 米国子会社 Lucite Internationalのテキサス州BeaumontにおけるMMAモノマー及びMAA生産を終了し、工場を閉鎖することを決め 、減損損失を計上した。 2020/11/6 三菱ケミカル、テキサスのLuciteのMMAプラント閉鎖
これに関連し、コア営業損益のなかに、特別退職金 -901百万円、工場閉鎖関連損失引当金繰入額 -3,318百万円 、合計 -4,219百万円を計上した。
なお、2020年12月に新エチレン法(アルファ法)によるMMAモノマーのプラント建設を前提にルイジアナ州ガイスマーの土地を取得した。2022年半ばを目途に投資の最終判断を行い、2025年中に35万tのMMAモノマー生産設備の稼働を目標とする。
2021/2/10 三菱ケミカルHD、2021年3月期決算 480億円の赤字予想
田辺三菱製薬
三菱ケミカルホールディングスは田辺三菱製薬の普通株式の全てを取得し、田辺三菱製薬は、2020/2/27に上場廃止となった。
2019/11/22 三菱ケミカルホールディングス、田辺三菱製薬に公開買付け
単位:億円 売上高 営業損益
税引前
損益株主
帰属
損益配当(円) コア うち
ロイヤリティ非コア 合計 中間 期末 2019/3 4,248 558 631 -55 503 504 374 28 28 2020/3 3,798 191 174 -252 -61 -65 1 非公開 2021/3 3,778 210 159 -795 -585 -577 -469 非公開 増減 -20 19 -15 -543 -524 -512 -470 2022/3予 4,075 260 非公表 175
営業損益のうち、非コアについては上記の通り。
コア営業損益のほとんどを占めていたロイヤリティ収入が激減し、大幅減収減益となった。
同社はロイヤリティ収入を除くと、コア営業損益はほとんどゼロである。
問題は多発性硬化症治療剤「ジレニア」のロイヤリティ収入である。
2019年2月、ノバルティスから本件契約の規定の一部の有効性について疑義が提起され、2019年2月15日、国際商業会議所より、ノバルティスを申立人とする仲裁の申立てがあった旨の通知を受領した。
ノバルティスは、米国、EU等における製品の売上ベースのロイヤリティ支払い義務を定める本件契約の規定の一部は無効であり、ノバルティスにはロイヤリティの一部の支払義務がないことの確認を求めている。
IFRSルールでは、収益認識基準の要件の一つ に「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」 があり、ノバルティスが契約の有効性について疑義を提起している部分がこれを満たさなくなったため、売上収益から除外する。
2019/5/16 注目会社の決算 田辺三菱製薬
日本酸素ホールディングス (三菱ケミカルHDの産業ガス部門)
2014年に三菱ケミカルHDがTOB 三菱ケミカルと合わせ、50.56%
2014/5/19 三菱ケミカルホールディングス、大陽日酸株式の公開買い付け
2020年10月に大陽日酸から日本酸素ホールディングスに改称。
2018年に米国のPraxair, Inc.の欧州事業を買収、損益に大きく貢献している。
2018/7/13 大陽日酸、米国Praxairの欧州事業を買収
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