厚生労働省の専門家部会は5月20日、米のModernaと英のAstraZenecaの新型コロナウイルスのワクチンについて、有効性が認められるなどとして承認することを了承した。
これを受け、田村厚生労働大臣が21日にも正式に承認する。
Moderna製は5月24日に東京都や大阪府で開設する国の大規模接種会場で使用する。
しかし、AstraZeneca製のワクチンについては、極めてまれに血栓が生じるリスクがあるため、厚生労働省は直ちに公的な接種に使わず、推奨する年齢などを慎重に検討する。
先行のPfizerを加え、3種のワクチンが承認された。
年内の供給量は、いずれも1人2回接種で、
Pfizer 1億9400万回分、Moderna 5000万回分、AstraZeneca 1億2000万回分で、合計 3億6400万回分となっている。
いずれも海外での承認を得たものに対する特例承認によるものである。
特例承認は、①疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、②当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、③海外(日本と同水準の国)で販売等が認められている、という要件を満たすもので、
法律では、対象品目は「新型インフルエンザのワクチンと新型コロナウイルス感染症にかかる医薬品」で、
「日本と同水準の国」は「米国、英国、カナダ、ドイツ、フランス」のみである。
但し、人種による効果、副作用の可能性があるため、別途、国内治験を求めており、これが諸外国と比べての承認の遅れとなった。
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Modernaのワクチンは先行のPfizerのワクチンと同様、mRNAワクチンである。社名のModerna は発明の基であるmodified mRNAから採った。
2021/3/26 Moderna, Inc.のDerrick Rossi
武田薬品工業はModerna ワクチンの日本でのPhase Ⅰ/Ⅱ 臨床試験を実施、3月5日に厚生労働省に製造販売承認を申請した。
武田薬品は 5000万回分(2500万人分)を輸入し、国内供給を行う。
同社はNovavaxとも提携しており、製造技術の提供を受け、日本国内向けのワクチン製造・流通を担当する。
2021/3/30 Novavax、ワクチンの原料不足でEUへの供給契約締結を延期
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AstraZenecaのワクチンはウイルス遺伝子の一部を別のウイルスに組み込んで使う「ウイルスベクターワクチン」。有効性は70%で、Phizerの95%、Modernaの94%に比べ若干落ちる。
2020年12月10日、日本政府との間で、日本における1億2千万回分の新型コロナウイルスワクチンAZD1222の供給について最終合意書を締結した。
日本においては国内の臨床試験の結果も合わせてAstraZenecaが承認申請を行った。
日本への供給の1億2千万回分のうち、25%分は輸入し、75%の9千万回分を日本でJCRファーマに委託生産する。輸入の3千万回分は既に輸入済。
JCRファーマはAstraZenecaから製造技術の移管を受け、遺伝子を改変したアデノウイルスの提供も受けた。これを培養し、精製する。
日本での供給体制は下記の通り。
原液 ① 輸入、② JCRファーマに製造委託
バイアル充填 第一三共バイオテック KMバイオロジクス 保管・流通 第一三共 Meiji Seika ファルマ
2021/1/30 AstraZeneca、ワクチンを日本で製造委託
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