米、Huaweiなど中国製の通信機器 の認証禁止へ

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米連邦通信委員会(FCC)は6月17日、安全保障上のリスクとみなす中国企業5社の通信機器の認証を禁じる方針を決めた。

華為技術(Huawei)など米国の安全保障に脅威とみなす中国企業の機器を国内通信ネットワークから完全に排除するための新規則を全会一致で採択した。
  https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-373363A1.pdf


付記

米議会はこれを法制化し、法案は下院では10月20日、上院は10月28日に可決された。

バイデン米大統領は11月11日、この法案に署名、成立した。


禁止の対象は次の5社の製品:

企業名

Covered Equipment or Services

華為技術
 Huawei Technologies Company
Telecommunications equipment
including telecommunications or video surveillance services
中興通訊
 ZTE Corporation
海能達通信
 Hytera Communications Corporation
Video surveillance and telecommunications equipment
to the extent it is used for the purpose of
public safety,
security of government facilities,
physical security surveillance of critical infrastructure, and other national security purposes
杭州海康威視数字技術 (Hikvision)
 Hangzhou Hikvision Digital Technology
浙江大華技術
 Dahua Technology Company


FCCは2021年3月12日、米国の通信ネットワークの保護のための2019年の法律に基づき、上記5社を安全保障上の脅威(to pose an unacceptable risk to U.S. national security)に認定している。

FCCは通信機器の安全性確のため、米国内で使える通信機器を認証している。今後は対象の中国5社の製品を認証しないほか、過去の認証を取り消すことも検討する。一般から意見を募って規則の詳細を決める。

各社の通信機器や監視カメラは安価でアフターサービスも手厚いため、米国内の通信網や公共施設、店舗などで使われている。当局の認証がなくなれば、米国内で販売できなくなる。


FCCはこれまでに、政府の補助金を受け取る通信会社が中国製機器を買うのを禁じている。また、米政府機関は5社の製品をつかっている世界中の企業との取引を禁止している。

今回の措置で、米国では完全に除外されることとなる。

FCCのローゼンウォーセル委員長代行は、新規則によって「わが国の通信ネットワークから信頼できない機器は除外される。われわれはこれまで(Huaweiやその他中国企業の機器)がFCCの承認手続きを通じて米国で使われる余地を残してきた。だからその機会を閉じることを提案している」述べた。

ーーー

米連邦通信委員会(FCC)は2019年11月22日、政府の補助金を受けている米通信事業者に対し、中国通信機器大手の華為技術(Huawei)と中興通訊(ZTE)製の通信機器の利用を禁止する規制の導入を決めた。

HuaweiとZTEを「安全保障上の脅威となる企業」に指定し、補助金を受け取る通信事業者に両社の機器やサービスの購入・利用を禁止する。 既存のHuaweiやZTEの機器は他の企業の機器への交換を行わせる。

米連邦通信委員会(FCC)は2020年6月30日、Huawei と ZTE を米国の国家安全保障上の脅威に指定した。

高速通信網の整備を支援する連邦補助金は年83億ドルに上り、支給を受ける地方通信会社の多くは安価な中国製品に依存しているが、2社の通信機器に関しては、新たな購入だけでなく、すでに導入済みの機器も含めてあらゆる使用を禁止する。

2019/11/26  米FCC、補助金を受けている米通信事業者に HuaweiとZTE機器の利用禁止

補助金を受け取らない企業は引き続き使えるため、政府や議会で問題視されてきた。

今回、ローゼンウォーセル委員長代行は新規則で「(開いていた)ドアを閉じる」と強調した。

ーーー

2018年8月13日には「2019年度米国防権限法」が成立した。

これは禁止を国防総省以外にも拡大するもので、禁止対象製品は次の通り。

(A) Huawei と ZTE製の通信機器

(B) 監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(HIKVISION )、浙江大華技術(Dahua Technology)、海能達通信(Hytera)製のセキュリティ用のビデオ監視・通信機器

(C) 国防長官が国家情報長官、FBI局長との協議で、中国政府の影響下またはつながりがあるとみなす企業の通信機器及びビデオ監視システムも同様の扱いとなる。

禁止は2段階に分かれる。

第1 段階(発効日の1年後=2019年8月13日以降)

  米政府機関(連邦政府、軍、独立行政組織、政府所有企業)が5社の製品や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止

第2段階(発効日の2年後=2020年8月13日以降)

5社の製品を社内で利用している世界中の企業との取引を禁止
(米政府機関に収めている製品・サービスが通信機器とは一切関係のない企業でも、5社の製品を使っておれば禁止)

2018/12/11 2019年度米国防権限法(NDAA2019) --- Huawei、ZTE等の米政府機関との取引からの排除

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