コロナ変異株の感染拡大国からの選手入国で差別?

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丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、インドで確認された変異ウイルスの感染が拡大している国などから入国する選手らに、日本への出国前の7日間、毎日検査を行うことを徹底するため、各国のオリンピック委員会などに協力を求める考えを示した。

政府は、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の感染が拡大している国や地域から入国する選手らに、日本への出国前の7日間、毎日検査を行うことを求める方向で調整している。

読売新聞報道では、現在は全ての海外選手に、日本への入国時の検査のほか、出国前96時間以内に2回の検査と、入国後の毎日の検査を求めているが、インド型(デルタ株)が最も流行する6カ国(インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、モルディブ、アフガニスタン)については、下記の措置を求める という。

一般 最も流行する6カ国
インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、
モルディブ、アフガニスタン
出国前 96時間以内に2回検査 7日間 毎日検査
7日間はチーム以外と接触禁止
入国時 検査 検査
入国後 毎日検査 毎日検査
3日間はチーム以外と接触禁止の条件で練習を認める。


このほか、ベトナム、マレーシア、英国、エジプト、バングラデシュの5カ国 については出国前3日間の毎日検査を求めるという。

本件の内示を受けてか、インドメディアの6月20日報道では、インド・オリンピック委員会が「不公平で差別的だ」と反発する文書を大会組織委に送った。

インドの選手は全員がワクチンを打ち、出発前1週間、毎日PCR検査を受けている。到着後3日間、他国の選手との接触を禁じられるのは全く不公平だ。

選手は競技のたった5日前に選手村に入るのを許される。そのうちの3日間が無駄になる。この期間は選手がモードをピークに持っていく時で、非常に不公平だ。


程度の差はあるが、既にデルタ株は世界中に広まっている。選手の入国時点で各国の状況がどうなっているか、上記の5カ国だけでよいのか、不明である。


デルタ型は感染力が1.95倍とされるが、これより強力な変異株ラムダ株がすでに大流行している。

ラムダ株は、ペルーでは4月以降の感染者の8割を占め、アルゼンチンやチリでも3割以上に広がっている。

専門家は「人間の細胞との接合部にこれまでにない変異があり、ワクチン効果が最悪で5分の1程度まで落ちる可能性がある」と指摘、WHOは6月14日に「注目すべき変異株」に指定した。

ウイルスが細胞の中に侵入する「入口」に変異が起こるものでウイルスの侵入を防ぐ抗体が効きにくくなり、侵入しやすくなる。だから、ワクチンも効きにくくなる。

ペルー、アルゼンチン、チリ、エクアドルなど南米のほか米国やドイツ、スペイン、イスラエルなど計29カ国で感染が確認されたとし、警戒を呼び掛けている。

ワクチン効果が1/5程度まで落ちるというのは脅威である。デルタ株などとは比べものにならない。

政府はこれらの国からの選手、役員の入国に対し、どういった措置をとるのだろうか。これが広まると、オリンピック中止しかないのではなかろうか。


WHO 2021/6/15 時点

WHO
判断
WHO label 最初に発見 変異
VOC:
Variants
of
Concern
アルファ VOC-202012/01
B.1.1.7)
2020/9
英国
従来株よりも感染しやすく(1.32倍)、
重症化しやすい可能性あり。
23箇所の変異
H 69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、P681H等
ベータ 501Y.V2
(B.1.351)
2020/5
南ア
従来株よりも感染しやすく(1.5倍)、
免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。
N501Y (easily gain access to our cells)
E484K, K417N (affect our immune system)
242-244欠失
ガンマ 501Y.V3
2020/11
ブラジル
従来株よりも感染しやすく(1.4~2.2倍)、
免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。
N501Y (easily gain access to our cells)
E484K, K417N (affect our immune system)
デルタ B.1.617.2 2020/10
インド
感染力 1.95倍 L452R
VOI:
Variants
of
Interest
イプシロン B.1.427およびB.1.429 2020/3
米国
従来株よりもやや感染しやすく、一部治療薬の効果を低下させる可能性あり。 L452R
ゼータ P.2
2020/4
ブラジル
イータ B.1.525 2020/12
多数国
シータ P.3系統
2021/1
フィリピン
従来株よりも感染しやすく、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性あり。 N501Y
E484K
イオタ B.1.526 2020/11
米国
カッパ B.1.617.1
2020/10
インド
L452R、E484Q、P681R
ラムダ C.37 2020/8
ペルー
感染力の強さに加え、ワクチン効果が最悪で 1/5落ちる。
南米のほか米国やドイツなど計29カ国で感染が確認
490番目のまったく違う新しいところに変異


Source: https://covdb.stanford.edu/page/mutation-viewer/#sec_delta




WHOは変異株に国名をつけると差別につながるとして、ギリシャ語アルファベットに切り替えた。

アルファベットは24しかなく、既に11に達した。その後はどうするのか、検討中である。

小文字大文字
α Α alpha アルファ
β Β beta ベータ
γ Γ gamma ガンマ
δ Δ delta デルタ
ε Ε epsilon イプシロン
ζ Ζ zeta ゼータ(ツェータ)
η Η eta イータ
θ Θ theta シータ
ι Ι iota イオタ
κ Κ kappa カッパ
λ Λ lambda ラムダ
μ Μ mu ミュー
ν Ν nu ニュー
ξ Ξ xi クサイ(グザイ)
ο Ο omicron オミクロン
π Π pai パイ
ρ Ρ rho ロー
σ Σ sigma シグマ
τ Τ tau タウ
υ Υ upsilon ウプシロン
φ Φ phi ファイ
χ χ chi カイ
ψ Ψ psi プサイ
ω Ω omega オメガ

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