昭和電工、鉛蓄電池事業を売却

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昭和電工は7月8日、昭和電工マテリアルズの鉛蓄電池事業を投資ファンドのアドバンテッジパートナーズとリース大手の東京センチュリーに売却すると発表した。

売却額は非公表としているが、約600億円とみられる。

事業売却で得た資金で昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)の買収で悪化した財務を改善させるほか、半導体材料の生産能力増強や開発投資に充てる。

なお、昭和電工は鉛蓄電池事業の譲渡で、事業構造改善費用として約300億円の特別損失を計上する。この結果、2021年12月期の連結最終損益が140億円の赤字になりそうだと発表した。従来予想は110億円の黒字だった。

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日立製作所は2019年末にグループの中核子会社である化学大手 日立化成の売却を巡り、昭和電工に買収の優先交渉権を与えることを決めた。

昭和電工は2020年3月24日、日立化成に対するTOBを開始、TOBの結果、87.61%を取得した。その後、6月23日に完全子会社化した。

連結子会社化した日立化成の社名を2020年10月1日付で「昭和電工マテリアルズ」に商号変更した。

買収金額は約9600億円で、買収によるノレン代は約5200億円、20年償却でも償却費は年間260億円となる。

昭和電工は日立化成買収後、財務改善のため事業売却を進めている。

2021年6月、買収した日立化成の電子機器などに使うプリント配線板事業を、国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに売却することが分かった。売却額は約400億円とみられる。

2019/12/25 昭和電工、日立化成にTOB 

今回売却するのは次の事業

1) 埼玉事業所及び名張事業所で行っている蓄電デバイス・システム事業

2) 下記各社の全株式:

社名 事業 出資比率
エナジーシステムサービスジャパン
旧称 日立バッテリー販売サービス)
電池・電気機器の販売、サービス及びゴルフカートの製造、販売、サービス 100%
希世比能源科技(台湾)
(旧称
台湾神戸電池→日立化成能源科技) 
鉛蓄電池の製造、販売 100%
Thai Energy Storage Technology (タイ)

2017年買収のThai Storage Battery PLC(Hitachi Chemical Storage Battery に改称)、とタイにある鉛蓄電池事業を再編、集約のため設立したHitachi Chemical Gateway Battery (Thailand)が合併
鉛蓄電池の製造、販売 97.9%
Siam Magi (日立化成のタイ子会社)
Thai Nonferrous Metal 2017年に買収した車両用バッテリー、産業用電池等を製造するThai Storage Battery(BAT-3K)の子会社
3K Products Company
Power Plas Company


売却する蓄電デバイス・システム事業の基礎は1916年に設立された日本蓄電池製造㈱と、1917年に設立された神戸電機製作所である。
(神戸電機製作所の設立者は1916年に鉛蓄電池の事業化検討のため、柴田蓄電池研究所を設立している。)

1966年に日立化成が神戸電機に資本参加した。

その後、1969年に日本蓄電池製造と神戸電機が合併し、新神戸電機となった。

2000年3月に世界初のハイブリッド自動車用リチウムイオン電池を、2004年には世界初となるリチウムイオン電池搭載乗用ゴルフカートを発表した。

2011年に日立化成が新神戸電機のTOBを発表、2012年3月に日立化成の完全子会社となり、2016年1月1日に日立化成に吸収合併された。

売却先はアドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドを筆頭株主とするサステナブル・バッテリー・ソリューションズ で、最終的に出資比率は次の通りとなる。

アドバンテッジパートナーズ ファンド 85.1%
東京センチュリー 14.9%


アドバンテッジパートナーズは、
1997 年に日本で最初のバイアウト専用ファンドに対してサービス提供を開始して以降、日本のプライベート・エクイティ投資市場の黎明期から市場の立ち上げを担ってきた国内独立系サービスプロバイダー

東京センチュリーは、規制に縛られない自由な経営環境のもと、国内外のパートナー企業との共創による『金融×サービス×事業』を融合したビジネスモデルを展開

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