VW、ドイツで中国大手とEV電池工場

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独フォルクスワーゲン(VW)は7月13日、中国の電池大手の国軒高科と共同でドイツで電気自動車(EV)向け電池を生産すると発表した。2025年から生産を始める。

これとは別にスペインでも電池とEVの生産を検討する。規格化した電池の大量生産でコストを下げ、収益力を高める狙い 。

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VWは2021年3月、スウェーデンのバッテリーメーカー Northvolt との間で、今後10年にわたるバッテリー製造で140億ドルの契約を結んだ。

Northvoltは 2019年にVW、BMW、Goldman Sachs、IKEAグループなどから合計10億米ドルの出資を受け、増資と欧州投資銀行からの4億ドルの融資で、第1号の工場をスウェーデン北部 Skelleftea に建設した。16GWhの生産から始め、最低32GWh以上の容量まで増やす予定であった。

今回の契約で、VWはNorthvoltの株式を追加取得し、Northvoltが欧州のVWグループ向けの主要な電池サプライヤーとなる。

VWは別途、9億ユーロを投資してNorthvoltとのJVで、16GWhのリチウムイオンバッテリー工場を南ドイツのSalzgitterに設立した。VW用のバッテリー供給を2023年終わりから2024年始めにスタートさせ、数年後に24ギガワット時に拡大するとしていた。

Northvoltは今回、ドイツのSalzgitterのJV持ち株をVWに売却することにも同意した。ここも40 GWh に増強する。

VWは今後、スウェーデン、ドイツに加え、2026年には西欧(スペインかフランスかポルトガル)に1工場、2027年には東欧(ポーランドかスロバキアかチェコ)に1工場、2030年までにあと2工場を建設し、合計6工場 240GWh の能力とする。

2021/3/23 VWグループ、EV向け次世代電池を大量生産

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VWは2020年5月28日、中国でリチウムイオン電池首位の(LIB)寧徳時代新能源科技(CATL)、2位の比亜迪(BYD)に次ぐ第3位の国軒高科(Guoxuan Hi-Tech)の発行株式26.47%を11億ユーロで取得した。

VWは中国で上海汽車とのJVの上汽VW、第一汽車とのJVの一汽VWを持つが、2017年には江淮汽車(JAC)との間で3社目JVのJAC-VWを設立し、中国新エネルギー車(NEV)市場での足固めを急いでいる。

VWは2025年までに、年間EV生産150万台の目標を掲げている。中国エネルギー車(NEV)市場で20%のシェアを握る計画である。

そのなかで、電池ソースとして国軒高科と手を組んだ。

VWは今回、国軒高科と共同でドイツで電気自動車(EV)向け電池を生産すると発表した。

上記の通り、VWはNorthvoltとのJVで、16GWhのリチウムイオンバッテリー工場を南ドイツのSalzgitterに設立した。その後、NorthvoltはJV持ち株をVWに売却することにも同意したが、VWは能力を40 GWh に増強したうえで、生産はNorthvoltに委ねる予定であった。

今回、この計画を変更し、Salzgitter工場は国軒高科と運営することとした。Northvoltのスウェーデン工場では高級車向けの高性能電池を生産する。


更に今回、スペインでの計画を明らかにした。

VWと同社の傘下のスペインの自動車会社SEAT S.A. (旧称 Sociedad Española de Automóviles de Turismo )は、スペインの電気自動車やコネクテッドカーのヴァリューチェーン強化を目指すスペイン政府のStrategic Project for the Recovery and Economic Transformation (PERTE) に参加する。

2021~2023年に240億ユーロを投資する。うち公的ファンドが43億ユーロを出し、残り197億ユーロを民間から集め、スペインを"the European hub for electromobility" とする。

スウェーデン、ドイツに次ぎ、VWとして3番目の電池工場をスペインに建設する。欧州で6つのギガファクトリーを建設する計画の一環で、スペインかフランスかポルトガルに建設するとしていた。

EV50万~80万台前後分に相当する年間40ギガワット時の生産能力の工場を設け、2025年からは小型EVも生産する方向で政府などと最終調整している。

提携する電池メーカーは未定。





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