消費者物価指数は、8/20発表の2021年7月分から2015年基準から2020年基準への基準改定が実施される。
現行基準のコアCPI上昇率は2021年5月に1年2ヵ月ぶりのプラス(+0.1%)となったが、新基準ではマイナス圏の推移が続いているという姿に改められる可能性が高い。
指数は、一定の周期で指数の基準年次を更新するとともに品目やウエイトなどの見直しを行っている。
2020年基準改定計画は以下の通り。
・指数の基準時変更 2015年基準から2020年基準へ
・各品目のウエイトの変更
家計調査の結果等を用いて、2020 年平均1か月間1世帯当たり品目別消費支出金額を基本としてウエイトを作成
・品目の改定
家計消費支出上の重要度等を踏まえ、30 品目を追加、28品目を廃止、10 品目を5品目に統合し、新基準の品目数を 582 品目とする。
・インターネット販売価格の採用拡大
・モデル式の改定
航空運賃や電気代、通信料(携帯電話)などの一部の品目は、料金体系が多様で価格も購入条件によって異なることから、典型的な利用事例をモデルケースとして計算する。
今回、本年1月~5月のコアCPI(生鮮食品を除く総合)を新しい基準で再計算すると下記の通りとなった。
下方改定の主因は携帯電話通信料で、2020年基準では、2021年4月から大幅に下落している携帯電話通信料のウェイトが高まった。また、2020年平均で85.4まで低下していた指数水準が2020年=100に引き上げられる(指数水準のリセット)。ウェイト効果とリセット効果により、携帯電話通信料のコアCPI上昇率へのマイナス寄与は、2021年4、5月には2020年基準のほうが▲0.2%程度大きくなる。
上昇ペースの加速が見込まれるエネルギーのウェイトが低下したこともあり、先行きも新基準の伸びは旧基準を下回る可能性が高い。
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