サムスン副会長、仮釈放

| コメント(0)

韓国の法務部は8月9日、贈賄や横領などの罪で収監されている韓国サムスン電子の李在鎔副会長を13日に仮釈放すると発表した。

法務部は声明で「社会の受け止めや、本人の受刑時の生活態度など、さまざまな要因を総合的に評価した」と述べた。

13日午前に釈放された。 出所直後、自宅ではなく三星電子の瑞草社屋の執務室を訪れ、懸案事項について報告を受けるなど、事実上、直ちに経営に復帰した。

仮釈放された受刑者は保護観察下となり、就業制限や海外渡航制限が課される。これらの制限なく経営復帰するためには法務省の承認が必要となる。

ーーー

韓国サムスン電子トップの李在鎔副会長が朴槿恵・前大統領らへの贈賄罪に問われた差し戻し審で、ソウル高裁は2021年1月18日、贈賄罪などを有罪とし、李被告に懲役2年6月(求刑は9年)の実刑判決を言い渡した。執行猶予は付かず、再び収監された。

2017/2~2018/2の1年間収監されており、残り1年6月となる。

サムスン電子は経営トップが不在になる。

サムスン側は上告を検討したが、すでに最高裁は二審が贈賄額を36億ウオンとみなしたのに対し86億ウオンとみなして差し戻しており、今回の高裁判決が確定する可能性が高い。

サムスン側は1月25日、高裁判決を受け入れ、上告を断念したと明らかにした。検察側も上告せず、1月26日午前0時に判決は確定 した。
収監中の李被告の残り刑期は約1年6カ月で、満期の場合は2022年7月に出所することになる。

2021/1/19 サムスントップ、贈賄罪差し戻し審で懲役2年6月、再び収監 

サムスングループでは、大規模な投資やM&Aは李副会長の専任事項とされ、特に先端ロジックチップを製造する米工場に関する170億ドル規模の投資を巡っては、建設場所の決定が副会長に委ねられているという。

世界的に半導体が不足する中、台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルといった競合は巨額の投資を行っているが、サムスンで主要な戦略的決断が下されていないとの懸念が高まる中、政界や社会、そして広範な経済界からも李氏の仮釈放を求める声が高まっていた。

韓国のサムスン、現代など4大財閥の代表は6月2日、大統領府で文在寅大統領と会い、収監されているサムスングループトップの李在鎔サムスン電子副会長の恩赦を要請した。大統領府が発表した。

サムスンの代表は「半導体など大型投資はトップがいないと迅速に意思決定できない」と強調。他の財閥も「不確実な時代で、今後2~3年が重要だ」と早期に経営復帰させるべきだと訴えた。

韓国では日本の植民地支配からの解放を記念する8月15日の「光復節」に合わせた恩赦や仮釈放が行われることがある。

韓国の世論調査会社4社が7月29日に発表した合同調査結果によると、李在鎔副会長の仮釈放について、賛成が70%、反対が22%だった。  

朴槿恵前大統領、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の恩赦については、反対が56%、賛成が38%と反対が賛成を上回った。  


恩赦は、憲法の規定に基づき文大統領が与えることができる。

しかし、文大統領は、大統領選候補の時に、賄賂やあっ旋収賄などの重大犯罪については恩赦をしないと公約していた。恩赦を行う場合、公約を撤回したことにな る。
また、1000を超える労働組合や市民団体などは「司法は公正に運用すべきで、李副会長を特別扱いするのはおかしい」などと反発している。

このため、恩赦案は消えた。


仮釈放は法務部による手続きで、1次選定権者が刑務所長になっている。

法務部はこれまで仮釈放の審査基準を刑期の70~80%を経過した服役者としていたが、7月から60%水準に引き下げた。

李副会長は7月末で刑期の60%(懲役30カ月で、過去に12カ月、本年6カ月で計18カ月)が過ぎた上、模範囚と認められ、予備審査を通過した模様。

朴範界法相は8月9日夜の記者会見で「新型コロナウイルス禍の長期化に伴う経済状況などを考慮し、李副会長を対象に含めた」と述べた。





ーーーーーーーーーーーーーー

前日以前のブログを続けてみる場合は、ページトップのタイトル(下の部分)をクリックしてください。


過去のデータは下記から利用できます。

ブログ バックナンバー目次

データベース

ブログ & データベース専用検索

Google
www.knak.jp を検索

COVID-19関連はここをクリック

コメントする

月別 アーカイブ