中国政府は9月16日夜、日本をはじめとする11か国が参加するCPTPP=環太平洋パートナーシップ協定(旧TPP)への加入を正式に申請したと発表した。
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台湾は9月22日、TPP加盟を申請したことを明らかにした。台湾は、ニュージーランドとシンガポールとの間でFTAを結んでいる。
中国・台湾両方の加盟は「一つの中国」の観点から無いと見られており、加盟各国の今後の動きが注目される。
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韓国政府は12月13日、経済関連閣僚会議を開き、環太平洋連携協定(TPP)加入申請に向けて関連手続きを開始すると発表した。今後、国会報告などを経て正式申請する方針。
ただ、国内の農業団体から反対の声が上がっている。付記
南米エクアドルが12月17日にTPP事務局の役割を担うニュージーランド政府に正式加盟申請文書を提出した。
中国の習近平国家主席は2020年11月、TPPへの参加について「積極的に検討する」と表明している。
バイデン政権が早期のTPP復帰に慎重な姿勢を示す中、TPPへの加入を目指すことでアジア太平洋地域での影響力を高めるねらいがあるとみられ る。
中国は、ASEAN10カ国と日本、韓国、豪州、NZとともに、東アジア地域包括的経済提携(RCEP)に参加している。
協定はASEAN10カ国の過半数と他の5カ国の過半数が、それぞれ国内手続きを終えてから60日後に発効する。
2020/11/16 インドを除く15カ国、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名
RCEPでは、日本の重視した投資ルールや電子商取引ルールなどは骨抜きにされ、中国の望む国際経済ルールが実現したとされる。
TPP協定では今後の新規加盟国の扱いについて、前文で「この協定への加入を歓迎する」と表明している。
そのうえで、新たに加入する際の条件として第5条で「締約国が合意する条件に従うこと」と規定している。そのうえで、締約国すべてが同意することが必要である。
まず、中国が現在の協定を受け入れるかどうかが問題となる。
中国は国有企業の優遇措置をとっているほか、国境を越えたデータの自由な移転が確保されていないことなどが問題となる。RCEPの場合は、新しい協定であり、最終的に中国の主張が通ったが、TPPの場合は追加加入を要請するもので、少々のモディファイは認められるとしても、既存の条件を受け入れなければ、参加を認められないこととなる。
次に、中国の参加には、加盟11か国の同意が必要となる。
中国と豪州の関係が急速に悪化しており、両国の関係が改善しないと、豪州は簡単には同意しないと思われる。
2020/12/20 中国・豪州の関係悪化、豪州が中国をWTOに提訴
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米政府は2016年11月23日、中国を「市場経済国」と認定しない方針を明らかにしている。カナダ、メキシコ両国は中国のTPP参加を認めることはできない。
USMCA協定(旧NAFTA)の第32.10条 「非市場国とのFTA」は次の通りで、中国とFTAを締結した国は、3国協定から除外されることとなる。
1.USMCA締約国の一ヶ国が非市場国とのFTAを交渉する場合、交渉開始の3ヶ月前に、他の締約国に通知しなければならない。非市場国とは、本協定の署名日前に締約国が決定した国である。
2.非市場国とFTA交渉を行おうとする締約国は、他の締約国から請求があれば、可能な限りの情報を提供すること。
3.締約国は、他の締約国がFTA協定と潜在的な影響を調査するため、署名日の30日前に他の締約国がFTA協定の条文、附属書、サイドレターなど見直す機会を与えること。
締約国が機密扱いを要求する場合、他国は機密保持を行うこと。4.締約国が非市場国とFTAを締結する場合、他国は6ヶ月前の通知により、本協定(USMCA)を終了し、残りの二国間協定とする。
5.二国間協定は、上記締約国との規定を除き、本協定(USMCA)の構成を維持。
6.6ヶ月の通知期間を利用して、二国間協定を見直し、協定の修正が必要か決定する。
7.二国間協定は、それぞれの法的手続を完了したと通知してから60日後に発効する。
CPTPPは2018年12月30日に、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ及びオーストラリアの間で発効
ベトナムについては2019年1月14日、ペルーは2021年9月19日に発効した。
残りはブルネイ、マレーシア、及びチリの3カ国。
なお、EUを離脱した英国は2021年2月1日、TPPへの加盟を正式に申請した。
英国はEUを正式に離脱し、他国とFTAを結ぶことができる。
2020年10月23日に日英経済連携協定(EPA) を締結、2021年1月1日に発効した。
2020/12/8 日英EPA、2021年1月1日発効へ
英国は、正式離脱前に多くの国とFTAを締結している。EU離脱で自動的に発効する。
韓国国会は2019年10月28日の本会議で、英国とのFTAの批准同意案を可決した。
英政府は2021年6月21日、TPP加盟11カ国との交渉を6月22日から始めると発表した。加盟によって金融やITサービス、自動車、ウイスキー、農産品などの輸出拡大をめざす。
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