武田薬品工業は9月7日、Novavax, Inc. の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補であるTAK-019の製造販売承認取得を条件として、武田薬品が日本で生産するTAK-019について厚生労働省が 1億5,000 万回接種分を購入する契約を締結したと発表した。 Pfizer、Moderna と同様、2回接種が必要。
武田薬品はNovavax 社との提携の一環として、日本の自社工場において TAK-019の生産能力の整備を進めており、2022 年初頭の供給開始を目指している。
Novavax 社は、武田薬品へ TAK-019 の製造技術の使用を許諾し技術移転を進めており、抗原と共に充填する Matrix-M アジュバントを供給する。
武田薬品は国内治験を実施し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への製造販売承認申請を行い、厚生労働省の承認取得後、日本においてTAK-019を供給する。
Novavaxワクチンはまだ米国で承認を得ていない。当初、2021年第3四半期にFDAにEmergency Use Authorization (EUA) を申請するとしていたが、8月5日に、第4四半期に変更した。
一方で、インド、インドネシア、フィリッピンでは承認申請を行ったことを明らかにしている。
付記
武田薬品は12月16日、Novavaxが開発する新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省へ製造販売承認を申請したと発表した。
武田は承認取得後、2022年初頭にも供給を始める方針。
特例対象となる米国、英国、カナダ、ドイツ、フランスのいずれでも未承認なので、通常承認の申請をおこなう。
Novavaxは米FDAに間もなく申請する予定。
ーーー
武田薬品は日本でModerna と組むとともに、Novavaxとも提携している。
武田薬品はModerna ワクチンの日本でのPhase Ⅰ/Ⅱ 臨床試験を実施、2021年3月5日に厚生労働省に製造販売承認を申請し、5月に承認を受けた。
武田薬品は 5000万回分(2500万人分)を輸入し、国内供給を行う。
NovavaxのワクチンNVX-CoV2373は、SARS-CoV-2の遺伝子シーケンスから生成されたタンパク質ベースのワクチンである。
Novavaxの組み換えナノ粒子技術を使って、コロナウイルスのスパイク (S) タンパク質由来の抗原を作り出し、これをNovavaxが特許取得済みのサポニン(植物の根、葉、茎などに含まれている成分)ベースのMatrix-M™とアジュバント結合させて、免疫反応を高め、高濃度の中和抗体を刺激する。
- Novavaxが新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造技術を提供し、武田薬品が日本国内向けにワクチンを製造・流通
- NovavaxがアジュバントMatrix-Mを供給
- 日本政府は本ワクチンの製造技術移転、生産設備の整備、スケールアップに対し助成
武田薬品は Novavaxからのワクチン製造技術の移転、生産設備の整備、およびスケールアップの資金として、厚生労働省から助成金を受領する。
光工場の新型インフルエンザ製造設備を転用、年間2億5千万回分以上のワクチンの生産能力を整備し、ワクチン原液から充填・包装まで製造する。
武田薬品は2月24日、Novavaxから導入した新型コロナウイルスワクチンの国内臨床試験を開始したと発表した。
同社では今年6月までにModerna製、今夏以降にNovavax製の供給開始を目指す。
2021/3/30 Novavax、ワクチンの原料不足でEUへの供給契約締結を延期
コメントする