グラクソ・スミスクライン、新型コロナウイルス治療薬の製造販売承認を厚労省に申請

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GlaxoSmithKline(GSK) は9月6日、単回投与のモノクローナル抗体ソトロビマブ(sotrovimab、旧名VIR-7831)について、COVID-19に対する治療薬として厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。

付記

厚労省は9が圧27日、「ソトロビマブ」を「特例承認」に基づいて正式に薬事承認した。政府が購入し、医療機関に供給する。

抗体がウイルスに結合し、増殖を抑制し、重症化を予防する。

酸素療法を必要としない軽症・中等症かつ重症化リスクが高いと考えられる患者を投与対象としている。

同社では、特例承認の適用を希望している。

特例承認は、
①国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがある疾病が蔓延し、緊急に使用する必要がある
②日本と同等の審査水準がある外国で承認されている――
ことを条件に、通常は1年ほどかかる審査期間を短縮して承認できる制度。

法律では、対象品目は「新型インフルエンザのワクチンと新型コロナウイルス感染症にかかる医薬品」で、「日本と同水準の国」は「米国、英国、カナダ、ドイツ、フランス」のみである。

ソトロビマブは5月21日に米国FDAからEmergency Use Authorization (EUA) を取得した。

欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)からは肯定的な科学的見解を得ている。
カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポール等では一時的承認を、またオーストラリアでは承認を取得している。

ソトロビマブはGSKと提携する Vir Biotechnology が開発した モノクローナル抗体で、海外第II/III相臨床試験では、重症化リスクの高い軽症から中等症のCOVID-19の成人患者において、入院または死亡のリスクが有意に低下することが示された。

1,057例全例の有効性に関する主要解析において、投与29日目までに24時間を超える入院または死亡(死因は問わない)を、プラセボと比較して79%低減し、試験の主要評価項目を達成したことが報告されている。

スパイクタンパク質の保存性の高い領域に結合することにより、薬剤耐性に対する高いバリア機能を備えている。

デルタ株、ラムダ株を含む懸念される変異株・注目すべき変異株に対して活性を維持することが示されている。

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Vir Biotechnology は2016年の創設で、
① B型肝炎(HBV)、結核及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)等の慢性感染疾患
② インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)及びメタニューモウイルス(MPV)等の呼吸器疾患、並びに
院内感染疾患の3つの分野に注力する。

ライフサイエンス投資家のArch Venture Partnersが26.20%、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが20.6%%出資し、他にシンガポールのTemasek HoldingsやBill & Melinda Gates Foundation なども出資する。

Vir Biotechnologyは、新型コロナウイルスと似ているSARS(重症急性呼吸器症候群)の完治患者から抗体(SARS-CoV-2mAB)を確保して治療剤を開発しており、 候補のモノクローナル抗体 VIR-7831 とVIR-7832は非常に有望とされた。このうち、VIR-7831が今回のソトロビマブである。

VIR-7832は、2つの作用を持つ開発中のSARS-CoV-2モノクローナル抗体で、前臨床試験では、正常細胞へのウイルス侵入を防ぐとともに、感染細胞を除去する能力を高めるという可能性が示唆されており、COVID-19の治療薬候補として評価が行われている。

GlaxoSmithKline は2020年4月6日、Vir Biotechnologyに2億5,000万ドルを出資し、新型コロナウイルスによって引き起こされる肺炎を治療・予防する複数の医薬品とワクチンを共同開発すると発表した。

提携により両社は複数のアプローチで医薬品を開発するが、まず、Vir Biotechnology が開発したVIR-7831およびVIR-7832抗体について第2相臨床試験を行なった。

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韓国のバイオ医薬品大手のSamsung Biologicsは2020年4月10日、Vir Biotechnology から新型コロナウイルスの治療薬のモノクローナル抗体を受託生産する契約を結んだ。契約金額は4418億ウォン(約400億円)。

2020/4/16 Samsung Biologics、Vir Biotechnologyの新型コロナ治療薬候補を受託生産

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GlaxoSmithKlineはアジュバント技術で多くの企業とワクチンを共同開発している。

Sanofiと組んで「組み換えたんぱくワクチン」を開発し、日本で治験を行う。

Sanofiでワクチンを担当するSanofi Pasteurは、遺伝子組換えDNA技術をベースとするS-タンパク質COVID-19抗原を提供する。

GSKは、実証済みのパンデミックアジュバント技術を提供する。

2021/6/7 仏 Sanofi、コロナワクチン を日本でも治験、製造も 

田辺三菱製薬のカナダの連結子会社 Medicago とも協働している。

2020/7/17 田辺三菱製薬、カナダ子会社の新型コロナウイルスワクチンの第1相臨床試験開始を発表

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