SK Innovationは9月16日に臨時株主総会を開き、バッテリー事業と石油開発事業の分社化の承認を得た。
10月1日付でバッテリー事業の「SK Battery」、石油開発事業の「SK E&P」(いずれも仮称)を100%出資で設立する。
SK BatteryはEV用の中・大型バッテリー生産、BaaS (Battery as a Service: EV のバッテリーをリースする事業)、ESS(Energy Storate System)などを行なう。
SK Batteryの分社化は、経営陣がタイムリーに投資が行えるようにすることが目的としている。将来的には株式公開を行って、多額の投資が必要な能力拡大のための資金調達を行なうことを狙うが、企業価値を市場が認識するのを待つため、来年に株式公開を行うことはないとしている。
SKは米国や欧州、中国の3大市場で合計5つの新工場建設を進めている。足元で年間40ギガワット時の電池生産能力を2025年には200ギガワット時まで拡大する計画で、毎年2000億~3000億円規模の設備投資を継続するため、バッテリー事業の上場を計画した。
同時に分社化するSK E&P は石油の探査・開発・生産、CCS (Carbon Capture & Storage) などの事業を行う。
昨年時点では、石油開発事業の分社の後、持株会社は「国外石油開発事業に全力を挙げる」としていたが、今回の発表では海外での開発をどこがやるのかに触れていない。
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SKは2007年7月に持株会社制度を採用し、石油及び化学部門を SK Energy とした。
SK Energyは2009年10月1日、自社の潤滑油事業を物的分割した100%子会社のSK Lubricants が正式に営業を開始したと明らかにした。SK Lubricantsは潤滑油専門企業として独自経営体制で世界市場に進出していく。
SK Energyは2020年10月に社名をSK Innovationに変更することを決定した。同社は2021年にSK Innovation を持ち株会社にし、石油事業と化学事業を独立法人として分割し、潤滑油のSK Lubricants の計3社を子会社とする方針を発表している。
今回の決定はこの方針に従うもの。
なお、現在のSK Energy はSK Lubricantsのほかに下記の子会社を持っている。
SK Incheon Petrochemical (100%) :石油精製、石油化学
SK Geo Centric (100%) :廃プラのリサイクルで石油抽出
SK IE Technology (90%、10%は公開):LiBS (Lithiu-ion battery separator)
SK Trading Internationl (100%)
恐らく、前2社はSK E&P、SK IE Technology はSK Batteryの子会社にすると思われる。
SK Trading Internationl は持株会社がそのまま持ち続けるか?
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