インド大手財閥Reliance Industries Ltdは10月10日、子会社のReliance New Energy Solarを通じて、欧州の太陽電池大手REC Solar HoldingsをChina National Bluestar(中国藍星)から771百万ドルで買収すると発表した。
また、Reliance New Energy Solarが、太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)を手がける地場のSterling & Wilson Solar の株式を40%取得するとも発表した。
再生可能エネルギー関連事業の拡大につなげる。
Reliance のMukesh Ambani会長はRECの買収発表にあたり「気候危機に打ち勝つためのグリーンエナジーへの移行に向けて、インドは世界のリーダーになれる」とコメントした。
Relianceは石油化学を中心に発展してきた財閥だが、近年は事業モデルの転換を進めている。 Ambani会長は6月の株主総会で、今後3年で太陽光や水素などの分野に7500億ルピー(約1兆1000億円)を投資すると表明していた。
Relianceはインド最大の私企業で、石油化学を中心に、石油・ガス開発、小売、インフラ、バイオテクノロジーなどの事業を手がけるインド最大のコングロマリットで、石化業界のリーダーである。
同社については 2007/3/14 インドのReliance が IPCLを吸収合併
Reliance IndustriesとSaudi Aramcoは2019年8月12日、AramcoがRelianceのOil-to-Chemicals 部門に出資する非拘束のLetter of Intent を結んだ。
インド政府はこれに反対していたが、2021年末までに実現する見込み。Relianceは2021年6月の株主総会でAramco会長を取締役に選んだ。
2020/1/4 インド政府、RelianceとAramcoの提携を阻止付記
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REC Solarは1996年設立で、ノルウェーに本社を置く。 事業本部をシンガポールに置き、北米、欧州、豪州、アジア太平洋に拠点を持つ。
1996年に Fornybar Energi として設立された。2000年9月に ScanWafer AS とSolEnergy AS と合併し、REC Solarとなった。
1997年にノルウェーとスウェーデンでウェハー、太陽光セル、太陽光モジュールを生産開始した。
2010年にシンガポールの最先端工場でウェハー、セル、モジュールの全自動・統合生産を開始した。
製品は、欧州、米、豪、タイ、インド、日本をはじめとする多くの地域で採用されており、2020年末時点での累計出荷枚数は4,300万枚以上、出力で11.3GW以上である。
REC Solarは2014年11月、中国のBluestarの傘下の投資法人Bluestar Elkem Investmentに事業を売却すると発表した。株式の取得価格は43億4000万ノルウェークローネ(約750億円)。2015年1月に同社の臨時株主総会で承認を得た。
China National Bluestar (Group) Corp. (藍星グループ)は中国化工集団公司(CNCC:ChemChina)を構成する中核会社。
2004年にChina National Blue Star (Group) Corp と China Haohua Chemical Industrial (Group) Corp が統合して中国化工集団公司が誕生した。
2007年に中国化工集団公司と米国の投資会社であるBlackstoneは戦略的提携を発表、Blackstone はChina National Bluestar (Group) Corp.の20%を6億米ドルで取得した。
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Relianceが同時に株式の40%を取得したSterling & Wilson Solarについて:インドのWilson Electric Works と Shapoorji Pallonji Constructionは以前からインドの諸プロジェクトを共同で行なってきたが、1971年にWilson Electric Works がShapoorji Pallonjiのグループ会社の Sterling Investmentsと合併し、EPC会社のSterling and Wilsonとなった。
2011年に太陽光発電のEPCを行なう事業を開始、2017年に独立し、Sterling & Wilson Solarとなった。
インド、東南アジア、中東、アフリカ、欧州、南北アメリカ、豪州と、世界中で257件のプロジェクトを行い、合計能力は 11.4 GWp。
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