Stellantis N.V.は10月18日、LG Energy Solutionと合弁会社を設立し、北米で電動車用の電池を生産すると発表した。年間生産能力は40ギガワット時で2024年 第1四半期の生産開始を目指す。総投資額は4000億円規模になるという。
2009年1月、イタリアのFiat S.p.Aは経営不振に陥っていた米国のChryslerへの資本参加を発表、2014年にFiatがChryslerの株式を買収し完全子会社化することを発表、同年10月12日に持株会社が設立された。
2019年初頭、 はフランスのグループ会社Renaultとの合併を模索し、暫定合意に達したが、フランス政府はこの合意を支持せず、合併は撤回された。
2019/6/1 フィアット、ルノーに経営統合提案
その後、 はにアプローチし 、2019年12月に50/50で統合することで正式に調印された。2020年12月21日、欧州委員会は、競争を確保するために最小限の救済措置を課して合併を承認した。
2021年1月16日、新会社Exor NV(Fiat創業家の持株会社) 14.4%
Stellantis とLG Energy Solutionは同日、米国でのバッテリーセルとモデュール生産のJVの設立のMOUを締結した。
2030年までに米国で販売する自動車の40%以上を電気自動車にするというStellantisの目標の達成を助けるものである。(欧州では70%以上としている)
2024年第1四半期の生産開始で、年間生産能力40ギガワット時。立地は今後決め、2022年第2四半期の鍬入れを目指している。
生産されたバッテリーは、米国、カナダ、メキシコのStellantis の組み立て工場に送られ、Stellantis の各ブランドのplug-in hybrids から full batteryまでの次世代電気自動車に装着される。
両社の協力体制は、2014年に当時のLG Chemの電池がFiat Chryslerの電気自動車ミニバン Chrysler Pacifica Hybrid に装着されたのに始まる。
Stellantisは本年7月に、全世界で2025年までにEV分野に300億ユーロ(約4兆円)を投じ、2030年までに年間260ギガワット時の生産能力を確保するとした。
2025年時点 130ギガワット時(3つのギガファクトリー:欧州 80GWh、米国 50GWh)
2030年時点 260ギガワット時(5つのギガファクトリー:欧州 170GWh、米国 90GWh)
欧州では2020年にTotal との50/50JVでバッテリー製造会社Automotive Cells Companyを設立した。フランスやドイツなどの当局が支援して、欧州最大規模の生産能力を持つEV向けバッテリー工場を目指している。
2021年9月24日、Mercedes-Benzが加わった。1/3ずつの出資となる。合弁の規模を70億ユーロ(約9000億円)余りに拡大し、2030年までに欧州で少なくとも120ギガワット時の生産能力を持つ。
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LG Chemの電池子会社LG Energy Solution は3月12日、2025年までの5年間で米国に45億ドル以上を投資すると発表した。少なくとも2工場を建設、米国での電気自動車の成長に対応し、能力を70GWh増やす。
LG単独ではミシガン州Hollandに5GWhの工場を持ち、GM、Ford Motor、Chrysler などに供給しており、米国では単独で75GWhの能力となる。
別途、GMとのJVで2工場を建設中で、合計能力は65GWh(単独分を加えると135GWh)となる。
LG は韓国と米国のほか、ポーランドと中国にも電池工場を持ち、各地で増産計画を進めている。
2021/3/18 LG Chem、米国で車載電池増産
本年7月末には、LG Energy Solution と現代自動車が共同で、インドネシアの首都ジャカルタ近郊にEV向けニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム正極(NCMA正極)を採用したリチウムイオン電池セル生産工場を建設することを発表した。
投資金額は両者の折半で合計11億ドル。2024年から、年間10ギガワット時(GWh)(EV15万台相当)の電池セルを生産する。
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