東京電力と中部電力のJVのJERAは11月15日、米国のFreeport LNGプロジェクトを運営するFreeport LNG Development, L.P.に出資すると発表した。
インフラファンドであるGlobal Infrastructure Partnersの子会社が保有するFreeport LNG Developmentの全権益 約25.7%を約25億米ドルで取得することを定めた権益売買契約を締結した 。
(これまでの情報ではGlobal Infrastructure持分は25%で、今回の25.7%との差については不明。)
Freeport LNG Developmentのパートナーは下記の通りとなる。
Michael S. Smith 会長 | 57.5% | |
大阪ガス | 10% | ←Contango Oil & Gas |
JERA | 25% | ←Global Infrastructure Partners← Zachry American Infrastructure ←Cheniere Energy |
Dow | 7.5% |
大阪ガスは2008年に出資。
Dowは2013年5月にFreeport LNGのLNG輸出プロジェクトには参加しないと発表している。
このため、Michael S. Smith 会長 以外は、日本の大阪ガスとJERAが実質的な株主である。
大阪ガスとJERAは既に、第1系列の液化会社に出資している。
Freeport LNGは2005年にテキサス州FreeportのQuintana IslandにLNGを海外から輸入してガスに戻す設備を完成させたが(Dowはこの事業に参加)、米国内でガスの採掘が進んだため、天然ガスの液化設備を建設してLNGの輸出基地に替えることを決め、2010年にエネルギー省に輸出認可を申請した。
Freeport LNGの能力は公称 440万トン/年×3系列で、現状は3系列合計で約1,545トン。
商業生産開始:第1系列 2019/12/8、第2系列 2020/1/17、第3系列 2020/5/5
第4系列(500万トン)を計画中。
2012年4月にFreeport LNGは大阪ガス、中部電力(現在はJERA)との間で年220万トンずつ、合計440万トンの輸出契約を締結、同時に第一系列の液化会社に大阪ガスと中部電力が25%ずつ出資する契約を締結した。
LNG輸出のFTA非締結国向けについては2013年5月に承認を受けた。(FTA締結国向けは 2011/2)
2013/5/20 米エネルギー省、日本へのLNG輸出を許可
今回のFreeport LNG Developmentの出資により、JERAは、 第1系列液化会社への参加に加え、既存のフリーポートLNGプロジェクト(全3系列、年間生産能力約1,545万トン)全体に関与するのみならず、同社とともに、生産能力拡張プロジェクトや第4系列の開発などの新規LNG事業を進めることとなる。 (大阪ガスは既にこの立場にある。)
第3系列からの購入を契約した東芝は2018年11月、米国産LNGに係る事業から撤退すると発表した。
中国の民間ガス大手の新奥生态控股股份(ENN Ecological Holdings )への売却を決めたが、解除され、最終的にTotalに売却した。
2019/4/13 東芝、米国のLNG購入契約 譲渡できず 末尾に記載
Freeport LNG は2018年9月、住友商事の米国子会社との間で年間220万トン、20年間のLNG供給契約を締結したと発表した。
契約は、テキサス州Freeport の近くのQuintana Islandで建設中の第4系列LNGプラント(年産500万トン)が商業生産を開始する2023年にスタートする予定。
2018/9/12 住友商事、Freeport LNG とLNG長期購入契約締結
しかし、この契約は最終契約が締結されないまま、2020年に終了した。第4系列はまだ着工していない。
グローバルな需給ひっ迫のなか、多くの交渉が続いているとされ、CEOは、うまくいけば2022年夏にも着工の最終決定をするだろうとしている。
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