日立とGEのJV、GE Hitachi Nuclear Energy は12月2日、カナダのOntario Power Generationより、Darlington新原子力発電所プロジェクトのテクノロジーパートナーに選ばれたと発表した。
小型モジュール炉である「BWRX-300」をDarlingtonに建設する。受注額は非公表。2022年内に建設許可を申請し、最大4基を建設する。早ければ2028年に第1号機が完成する。
日本勢の小型の商用炉の受注は初めて。既存の原発よりも工期が短く、炉が小さく理論上は安全性が高いとされる。
BWRX-300への関心は世界中で高まっており、カナダに加えて、米国、ポーランド、エストニア、チェコの電力会社や企業と、この技術の導入を検討する契約を結んでいる。
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日立GEニュークリア・エナジーは、日立製作所;80.01%、GE;19.99%で、日立市に本社をを置く。
事業内容は、発電用軽水型原子炉施設、高速炉施設、原子燃料サイクル関連施設およびその他関連製品の設計、製造、販売、据付及び保守に関する業務としている。
日立GEニュークリア・エナジーでは,ABWR(Advanced Boiling Water Reactor:沸騰水型軽水炉)建設経験と燃料サイクル技術を基に,小型化・簡素化により安全性と経済性の両立をめざした
1) 次世代小型軽水炉BWRX-300,
2) 実績豊富な軽水冷却技術を用いた高速炉RBWR(Resource-renewable BWR:資源再利用型BWR),
3) 固有安全性を有する金属燃料を採用した小型液体金属冷却高速炉PRISM(Power Reactor Innovative Small Module:革新的小型モジュール原子炉)
の三つの炉型について,オープンイノベーションを活用した国際共同開発を進めている。
1) BWRX-300の特徴は次の通り。(今回採用)
電気出力300MW小型モジュール炉(Gen III+)
革新的安全技術と成熟した沸騰水型原子炉技術の融合
シンプルな構成による大幅なコスト低減(建設,運転&保守,発電)
地下設置によるセキュリティ強化現在商用化している出力100万キロワット級の原子炉に比べて出力が小さい。
工場で部品を組み立てて現場で設置する方式で品質管理や工期の短縮ができるため、建設費が通常の原発より安くすむとされる。
2) RBWR (Resource Renewable BWR:資源再利用型BWR) はABWRやBWRX-300を含むすべてのBWRへ応用可能な軽水冷却高速炉である。
✓ 再処理、MOX燃料技術の進展に合わせて導入
✓ プルトニウム利用促進からTRU(超ウラン元素)燃焼、転換比1.0までニーズに合わせて対応米国3大学(MIT,UCバークレー,ミシガン大学)との共同研究を推進
英国国立研究所,英国大学などと連携
3) PRISM(Power Reactor Innovative Small Module)については下記の通り。
電気出力165/311MWナトリウム冷却高速炉(Gen IV)
✓ 小型モジュール・タンク型構造
✓ 静的安全性(空冷・自然循環)
✓ 固有安全性を有する実績ある金属燃料
✓ 予備設計完了(事前安全評価NRC/NUREG-1368, 1994)
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日本企業が参画している他の小型原子炉にNuScale SMRがある。
2021/5/31 日揮とIHI、小型モジュール原子炉事業に参画
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