韓国鉄鋼大手POSCOはアルゼンチンでのリチウム生産プロジェクトに総額8億3000万ドル(約950億円)を投じると発表した。
2018年に同地の塩湖権益を買収しており、2022年上半期に塩湖そばにリチウム抽出工場を着工する。生産能力は年2万5000トン規模で、 需要動向を見極めた上で新工場の生産能力を2倍に引き上げる追加投資も検討する。
POSCOは2018年8月27日、豪州の資源開発企業 Galaxy Resources Limited との間でアルゼンチンのSalar del Hombre Muerto(オンブレ・ムエルト塩湖)の鉱業権売買契約を締結したと発表した。POSCOはこのプロジェクトを「Sal de Oro(黄金の塩)」と名付けている。2億8000万米ドルを投資する。
2018/8/31 韓国 POSCO、アルゼンチンのリチウム湖の採掘権を取得
権益買収後の探査の結果、同塩湖は当初想定の6倍以上となる1350万トンの埋蔵量が確認されたという。
POSCOは買収後、水酸化リチウムの商用化を準備、現地にモデル生産工場を建設し、1年以上稼動させながらリチウム生産のノウハウを蓄積した。
試作プラントで生産ノウハウを蓄積しており、本格的な投資を決断した。
POSCOは世界で唯一、リチウムを塩水、鉱石、廃バッテリーの3つの方法で抽出できる企業とな る。
△塩湖に溶けている炭酸リチウムから抽出
△鉱山での採掘と加工されたリチウム精鉱から抽出
△捨てられた廃二次電池から抽出など。
POSCOは2018年2月、豪州の鉱山開発企業Pilbara Mineralsから年間3万トンのリチウムを生産できる分量の毎年最大24万トンのリチウム精鉱(自然鉱石加工品)の供給を受ける長期契約を締結した。
子会社、POSCOリチウムソリューションを通じ、2023年、全羅南道光陽に鉱石基盤の水酸化リチウム工場を建設する予定。
中国華油コバルト社と合弁し、廃バッテリーからリチウムを抽出するリサイクル工場も、全羅南道栗村産業団地に建設している。
「2030年までにリチウム分野グローバルトップ3に入るのが目標」としている。
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POSCOは電池材料を次の成長の柱と位置付けて、鉱山権益の確保から正極材、負極材の工場建設まで一貫供給体制を整えている。
韓国南部の光陽市で正極材工場、中部の世宗市では負極材工場の拡張を進めている。
さらに12月2日には米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁で北米に電池材料工場を建設すると発表した。
2021/12/8 POSCO Chemical、GMと合弁で北米でバッテリー正極材料を生産
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