中部電力はこのたび、浜岡原発で想定される巨大地震による津波について、現在の「防波壁」の高さを超える最大22.5メートルに達する可能性があるとの想定をまとめた。
浜岡原発は、原子力規制委員会による再稼働の前提となる審査が進んでいる。
中部電力はこれまで、マグニチュード8や9の地震が起きた場合に想定される最大の津波を高さ20.3メートルとしてきたが、より厳しい条件で検討した結果、巨大地震による津波の高さが最大22.5メートルに達する可能性があるとして、これまでの想定を見直し、規制委員会に報告することを決めた 。
現在、浜岡原発には津波対策として高さ22メートルの防波壁が建設されてい るが、新たな想定に基づく最大の津波が押し寄せた場合、防波壁の高さを上回ることになる。
中部電力は、「現時点では追加対策などを検討する段階ではない。まずは審査に真摯に対応し、基準津波の高さをきちんと策定することに全力を尽くしたい」とコメントした。
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浜岡原発は静岡県御前崎市にある。東海地震の予想震源域の真上である。
このため、大震災以降、問題となってきた。
2011/4/19 「浜岡原発を止めよ」 2011/4/22 浜岡原発について 2011/5/3 「再び、浜岡原発を問う」
中部電力は当初、津波に関して最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないとしていた。
その後、東海・東南海・南海地震の3連動の地震を検討し、津波の遡上高を海抜8.3mと想定した。
その場合も、敷地前面にある砂丘堤防は海抜10~15mの高さがあり、地震後においてもこの高さはほぼ維持され、敷地内への津波の浸入を防ぐことができるとしていた。
大震災のあと、菅直人首相は2011年5月6日、中部電力の浜岡原発について、「防波壁の設置など中長期の対策が完成するまでの間」すべての原子炉を停止するよう要請したと発表した。
中部電力は2011年4月20日、原子力安全・保安院へ報告書を提出した。この中には砂丘と原子炉建屋の間に15メートルの防波壁を設置することが含まれている。(当初案は12メートル) 完成は2013年度中となっている。
2011/5/7 菅首相、浜岡原発の全炉の運転停止を要請
その後、計画を下記の通り変更した。
海抜18mの防波壁を新たに設置するとともに、両端部は盛土で約20mにかさ上げをおこなう。
内閣府中央防災会議の有識者会議は2013年3月31日、東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる地震について、「最大クラス」で津波や震度を予想した。
浜岡原発のある静岡県御前崎市には21mの津波が押し寄せるという。また、従来の震度6強から震度7になった。
2012/4/4 南海トラフの巨大地震で新想定 「浜岡」再稼働は困難に
中部電力は、マグニチュード8や9の地震が起きた場合に想定される最大の津波を高さ20.3メートルとし 、津波対策として高さ22メートルの防波壁が建設されている。
中部電力が今回まとめた最大津波予想の最大22.5メートル は現在の「防波壁」の高さを超える。
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