科研製薬は11月30日、国内バイオベンチャー企業 アーサム セラピューティクス(ARTham Therapeutics)を買収することを決定し、株式譲渡契約書等を締結したと発表した。
取得価額は、現金55億円で、またアーンアウト対価として、本マイルストン達成時に最大72億22百万円相当の普通株式を交付 する予定。
ARTham は「未だ十分な治療法が確立されていない疾患を有する患者へ真に有効な治療薬 "Medicines that matter"を届け、患者とその家族の幸せに貢献すること」をミッションとする創薬バイオベンチャー。
2018年7月1日創業で、ARTham という名称は、「深い意味と価値」というサンスクリット語の本来の意味と、「創薬はファインアート」であると言う想いの融合。
現在の大株主は下記の通り。
みやこ京大イノベーション投資事業有限責任組合:23.62%
みやこ京大イノベーション2 号投資事業有限責任組合:10.87%
武田薬品工業:19.29%
長袋 洋 (代表取締役 CEO、共同創業者、大分大学医学部特任教授兼任):11.23% 元武田薬品・創薬研究本部シニアディレクター
Dr. Sham Nikam(共同創業者):11.23% 元武田薬品・エクストラバリュー創薬ユニット長
形成外科領域の開発品ART-001(対象疾患:難治性脈管奇形)及び皮膚科領域の開発品ART-648(同:水疱性類天疱瘡)を有している。
パイプライン | 領域 | 適応症 | ステージ | |
ART-001 | 血管疾患 | 難治性脈管奇形 | P13Ka阻害薬 | 臨床第2相試験実施中 |
ART-648 | 自己免疫疾患 | 水疱性類天疱瘡 | PDE4阻害薬 | 臨床第2相試験実施中 |
(ART-002) | 低活動ボウコウ | 臨床第1相試験実施中 |
ART-002は対象外。現CEOが設立する会社に継承する。
科研製薬は買収後、ARTham と協力し、進行中のART-001 及びART-648 の第2 相臨床試験の成功に向け開発を進める。
試験が成功した際には、科研製薬が日米欧での承認取得に向けた第3 相臨床試験をはじめとする研究開発活動を引き継ぎ、グローバル展開を目指す。
また、本件買収により、開発パイプラインの強化に加え、ARTham の有するドラッグリポジショニングに関わる技術と経験を同社が保有する既存化合物に適用する等のシナジー効果を実現し、研究開発能力の更なる向上を図る。
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