バイデン米政権は8月5日、トランプ前政権が実施した自動車の燃費規制緩和の見直しを提案すると発表した。新たな計画では、2023年(モデル年)に燃費を10%向上させ、2026年までに1ガロン当たり52マイルの平均燃費を目指す。
乗用車やSUV(スポーツ用多目的車)など小型トラックを対象とした燃費規制は、2023年製から年ごとに厳しくなるよう設定し、2026年製の平均燃費で前政権時に比べ3割近い改善を求める。オバマ政権が掲げた目標に近い水準で、EPA長官は、「史上最も野心的な基準だ」と強調した。
バイデン政権は2030年に新車販売の半分を「排ガスゼロ車」にする目標を掲げており、これに向けてメーカーが電動化の努力を進めることで、規制対応も進むとみる。
今回の規制では、2020年製車で年間2%ほどの電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)が、2026年製車では17%まで増えると織り込んだ。
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オバマ政権は2012年8月28日、54.5 mpg の燃費規制を正式に発表した。
CO2排出基準(g/mi) と燃費(mpg) は下記の通り。
2020 2021 2022 2023 2024 2025 g/mi
Passenger Cars 182 172 164 157 150 143 Light Trucks 269 249 237 225 214 203 Combined Cars & Trucks 213 199 190 180 171 163 mpg Combined Cars & Trucks 40.0 41.7 46.8 49.4 52.0 54.5
この時点では、2022年から2025年にかけての平均燃費値について2018年4月までに再審査するとしていたが、EPAはトランプ政権発足の直前の2017年1月13日、再審査をしない方針を突然決めた。
これにより、54.5 mpg の燃費規制の維持が決まった。
2018/4/9 米EPA、燃費規制見直し表明
トランプ米政権は2018年8月2日、オバマ前政権下で定められた自動車の燃費基準を撤回すると発表した。2021~2026年型車の基準値を、2020型車の目標値である37マイル(リッター換算15.6キロ)に据え置く。
2018/8/8 トランプ政権、車燃費基準を撤回
米EPAと運輸省道路交通安全局は2020年3月31日、乗用車と小型トラックの二酸化炭素(CO2)排出基準と、達成手段となる企業平均燃費(CAFE:Corporate Average Fuel Economy)基準を定めた新規則「Safer Affordable Fuel-Efficient (SAFE) Vehicles Rule(SAFE車両規則)を発表した。
2021年から2026年製車に対する基準について、2020年をもとに、CAFE基準値は毎年1.5%ずつ上昇、CO2排出量は毎年1.5%ずつ低減させるとした。
最終年の2026年製車では、CAFE基準値をガソリン1ガロン当たり40.4マイル、CO2排出量を1マイル当たり199グラムとした。
いずれの製造年も、2012年に制定された現行の基準値であるCAFÉ基準値、CO2排出量、より緩い基準となった。
2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 mpg Combined Cars & Trucks 36.8 37.3 37.9 38.5 39.1 39.8 40.4
今回、 バイデン政権2026年までに米国で自動車を販売するメーカーの平均燃費を1ガロン当たり55マイル(1リットル当たり約23キロメートル)に改善するよう義務付ける。
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