厚生労働省は1月21日、2022年度の公的年金支給額を前年度から0.4%引き下げると発表した。現役世代の賃金が下落したためで、2年連続のマイナスとなる。
年金支給額は、直近1年間の物価変動率と、過去3年間の賃金変動率に基づいて毎年度改定されている。
基本は物価変動率だが、賃金変動率が物価変動率より低い場合は賃金変動率を採用する。
更に制度の長期的・安定的運営のため、給付と負担を均衡させるためのマクロ経済スライドを加える。但し、物価変動率/賃金変動率がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。
「マクロ経済スライド」とは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除するもの
毎年の支給額の増減の計算は下記の通り。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
直近1年の物価変動率 | +0.5% | +0.0% | -0.2% |
過去3年の名目手取り賃金変動率 | +0.3% | -0.1% | -0.4% |
(採用) | +0.3% | -0.1% | -0.4% |
マクロ経済スライド | -0.1% | -0.1% | -0.1% & -0.2% (繰り越し)(当期) |
改定率 | +0.2% | -0.1% | -0.4% |
マクロ経済スライド繰り越し | -0.1% | -0.3% |
参考 米国の場合は勤労者消費者物価指数の上昇により、5.9%の大幅増となっている。
2022/1/6 米国の2022年の年金給付、生計費調整で5.9%の大幅アップ
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