内閣府は1月14日、経済・財政に関する中長期試算をまとめ、経済財政諮問会議で報告した。内閣府は年に2回、中長期試算を公表している。
政府は、国と地方合計の「基礎的財政収支」(プライマリーバランス=PB)を2025年度に黒字化する財政健全化目標を掲げている。
プライマリーバランスは社会保障や公共事業などの政策に必要な経費を、借金に頼らず税収などの収入でどの程度賄えるかを示す指標。
今回、国と地方合計のプライマリーバランスについて、経済の高成長が続いた場合の黒字化時期を2026年度とし、前回の試算(21年7月時点)より1年前倒しした。
GDPの実質成長率が2021年度2.6%、22~24年度2.1~3.2%、25年度以降2%程度(下図参照)で推移する「成長実現ケース」の場合、国・地方合計の プライマリーバランスは、2022年度時点で35.0兆円程度の赤字になるものの、2026年度には0.2兆円程度の黒字に転じるとした。
更に、「骨太方針に基づく取組を継続した場合、黒字化は2025年度と1年程度の前倒しが視野に入る」としている。
内閣府が黒字化時期を前倒しする根拠として挙げたのは、歳入の柱である税収の増加期待で、2022年度 の国・地方合計の税収は109.9兆円と過去最大になると見込んでいる。
高成長が続けば、税収の増加傾向が維持されるとする。
但し、実質1%、名目1%台前半程度での推移を前提とする「ベースラインケース」では赤字がずっと継続する。
高成長ケースで、
2025年度は -1.7兆円 (-0.3%)
2026年度は +0.2兆円 (+0.0%)
2031年度では +1.2%ベースラインケースでは
2025年度以降、-0.8%前後で推移
2031年度でも -0.7%
前提条件のGDP成長率は下図のとおり見ている。
これに対し、高成長の継続は容易ではなく、現実離れした成長率や物価見通しを基にした「数字ありき」「目標ありき」の試算との批判が出ている。
歳出面の見通しの甘さを問題視される。中長期試算では今後の歳出見通しは当初予算分だけを取り上げており、年度途中に編成される補正予算は含まれていない。
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