米半導体大手Intelは1月21日、最大1000億ドルを投じ、オハイオ州に世界最大級の半導体製造工場を建設すると発表した。
バイデン政権は、安全保障上のリスクを減らすとして中国に依存しない半導体の供給網の構築を目指しており、これに歩調を合わせた。
先進半導体の製造に向け、まず200億ドルを投じてオハイオ州に新工場2カ所を建設する。最終的には8つの工場を擁する1000億ドル規模の 世界最大規模の「メガサイト」とする。
スマートフォンや自動車向けなどの最先端の半導体を生産するほか、他社からの受託事業も行なう。(下記「IDM 2.0」戦略参照)
建設場所は州都Columbus郊外のNew Albanyで敷地面積は1000エーカー。3000人の正規雇用、建設関連で7000人の雇用を創出する見込み。
Pat Gelsinger CEOは「新工場は米国における先進半導体生産の新たな中心地となり、Intelの国内開発・生産体制が強化される」と述べた。
本年後半に着工し、2025年の稼働を目指す 。
半導体材料ガスのAir Products、製造装置のApplied MaterialsやLAM Researchといった関連企業も拠点を設ける計画を明らかにしており、米国において半導体の安定供給を確保する強固なサプライチェーン構築を目指す。
同社が国内の新たな地域に生産拠点を設けるのは40年ぶり 。
これとは別に、Intelは2021年9月24日、アリゾナ州Chandler市のOcotillo Campusで新工場建設の起工式を行なった。総額200億ドルを投じて2つの半導体製造工場を建設し、「インテル20A」を含む同社の最先端製品の製造を予定する。2024年の完全稼働を目指している。
同社は2021年9月7日、欧州に半導体工場を2カ所建設すると発表した。投資額は今後10年で800億ユーロ(約10兆円)に上る可能性があるという。
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2021年2月15日、Pat Gelsinger がIntelのCEOに就任した。
18歳でIntelに入社し、30年にわたる在籍中に数々の輝かしい功績を残し(史上最年少の32歳でVice Presidentに、その後同社初の最高技術責任者:CTOに就任)、2009年にストレージメーカーであるEMCのCOOに就任、2012年9月にEMC子会社のVMwareのCEOに就任したが、2021年2月にIntelに戻った。
Intel は2021年3月23日、新たな事業戦略を発表した。また、先端的な半導体チップの研究・開発をIBMと共同で行うことも発表された。
発表のハイライト:
7nm半導体チップの開発スケジュール
・2021年第2四半期に試験製造をスタートさせ、2023年に量産・市場投入するEUV(極端紫外線リソグラフィ)の使用増により開発が順調に進んでいることを強調
インテルの7nm半導体はTSMCの5nm半導体に匹敵する性能とも言われいる。「IDM 2.0」と呼ぶ新しい開発・製造戦略 (IDM:Integrated Device Manufacturer:垂直統合型デバイスメーカー)
・半導体の設計・製造・販売を自社で行うIDMを維持し、拡大させる
・外部ファンドリ・サービスの利用拡大
・「インテル・ファウンドリ・サービス(IFS)」部門を設置し、受託生産サービスを開始米国・欧州における生産能力の拡大
・200億ドルを投じて2つの新工場をアリゾナ州に建設する
・米国・欧州・その他地域における生産能力の拡大他社の生産能力が相対的に低い米国と欧州で生産能力を増強し、インテルの影響力の拡大を図る。
IBMとの協業
・先端的な半導体の研究・開発で協業する半導体のプロセス製造とパッケージング技術における研究・開発
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