円の実力、50年ぶりの低水準

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国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)が2月17日に発表した今年1月時点の円の「実質実効為替レート」(2010年=100)は67.55 となり、2015年6月の67.63を下回り、1972年6月(67.49)以来の円安水準となった。

BIS effective exchange rate:Real (CPI-based), Broad Indices Monthly averages; 2010=100

最高値の1995年4月(円相場が初めて1ドル=70円台に突入)の150.85 の半分以下(44.8%)に過ぎない。

実質実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートとは異なり、総合的な通貨の実力をみる指標で、BISは約60カ国・地域の為替レートや貿易量に、物価変動なども加味して算出した。(ユーロ圏でも国により異なる。)

高いほど対外的な購買力があり、海外製品を割安に購入できることを示す。 実質実効レートの低下は円安と物価低迷が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示す。


アベノミクスは「デフレは貨幣現象である」という考えに立ち、「三本の矢」を基本方針とした。
(1) 大胆な金融政策
(2) 機動的な財政政策
(3) 成長戦略

2013年3月に就任した黒田東彦・日銀総裁は、デフレ経済を克服するために2%のインフレターゲットを設定し、無制限の量的緩和を行った。目標の達成期限は「2年程度を念頭に置く」とした。

政府・日銀主導の円安政策により円の実質実効為替レートは急降下し、その後、低迷が続いている。

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各国・地域の「実質実効為替レート」(2010年=100)の推移は下記の通り。

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