ソフトバンク、Arm Limited のNVIDIA への売却を断念、Armの株式上場に変更

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ソフトバンクグループ(SBG)とNVIDIA Corporationは2月8日、NVIDIAがSBGからArm Limitedの株式を取得する契約を解消したと発表した。
取引完了のために誠意を持って取り組んできたが、これを阻む規制上の大きな課題があったため、契約の解消に至ったとしている。

SBGは、Armの技術やIPが今後もモバイルコンピューティングと人工知能の発展の中心であり続けると確信しており、2023年3月期中に同社の株式上場の準備に入る。「ナスダックを中心に米国での上場を考えている」としている。

当初の契約の条項に基づき、SBGはNVIDIAが前払いした12.5億米ドルを保持し、利益計上する。NVIDIAは20年間のArmライセンスを保持する。

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ソフトバンクグループは20169月に日本企業の海外買収案件としては過去最大の240億英ポンド(310億米ドル)英半導体設計会社 Arm LimitedArmを買収した
(このうち24.99%をソフトバンク・ビジョン・ファンドに移管した。)

ソフトバンクグループは2020年9月13日、傘下の Arm Limited の全株式を米国の半導体メーカーであるNVIDIA Corporation対して最大400億米ドルと評価した取引売却することについて、最終的な契約の締結に至ったと発表した。取引は、英国、中国、EU及び米国を含む必要な規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を条件とし、完了までに18カ月かかる見込んでいる。

Armの事業のうちIoTに関連するサービス事業のInternet-of-Things Services Group本取引の対象外で本取引の完了までにArmから分離され

2020/9/15 ソフトバンク、Arm LimitedをNVIDIA に売却

これを受け、Google、Microsoft、Qualcomm などが規制当局に苦情を申し立てたと報じられた。

EUの欧州委員会は2020年10月27日、本買収について競争法(独占禁止法)に基づく本格調査に入ったと発表した。ArmがNVIDIAの傘下に入ることで価格の上昇などを招く可能性があると懸念している。

米FTCは2020年12月2日、反トラスト法に基づき、買収差し止めを求める訴訟を起こした。「この垂直取引により、最大のチップ企業の1社が、競合企業が独自の競合チップを開発するために依存する技術と設計を制御できるようになる」としている。NVIDIAの競合企業もArmの技術に依存しており、買収を認めれば、技術支配力を利用して競合他社を弱体化させるとした。
裁判は2022年8月9日に開廷の予定であった。

英政府も安全保障の見地から調査するよう英競争・市場庁(CMA)に指示するなど規制当局からの認可取得は難航していた。 

今回、孫社長は、IT業界や「各国政府の強い動きで断念した」と説明した。背景には「シリコンバレーのほとんどが直接的、間接的にArmの製品を使っているからだ」との認識を示した。

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