キオクシアは3月23日、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」の生産能力の増強に備えて、北上工場(岩手県北上市)において4月から第2製造棟(K2棟)の建設を開始すると発表した。2023年の竣工を予定している。
同社は2020年12月9日、北上工場の隣接地(工場東側および北側の土地約13.6万㎡)を取得する方針を決定した。製造棟(K2)の建設に備えるもので、2021年春から整備工事に着手し2022年春を目途に整備を完了する予定としていた。
フラッシュメモリ市場は今後もクラウドサービス、5G通信、IoT、AI、自動運転、メタバースなどの普及により、中長期的な拡大が見込まれており、K2棟の建設により、最先端フラッシュメモリ製品の生産拡大を通じて市場の需要拡大という好機を活かし、有機的な成長を目指す。
米国 Western Degital との共同出資となる見通しで、出資割合など詳細は今後詰める。
K2棟は、地震の揺れを吸収する免震構造を採用するとともに、最新の省エネ製造設備の導入や再生可能エネルギーの利用などで環境面も重視した工場とする。また、AIを活用した生産システムの導入などを推進し、北上工場全体の生産性や品質の向上につなげる。
今回の建設投資は営業キャッシュフローの範囲内で行う計画としているが、関係者によると、投資総額は1兆円程度となる見込み。
キオクシアの議決権の40%を保有する東芝は先月、可能な限り早期に上場するよう書面で正式に要請している。
なお、Wall Street Journalは2021年8月、Western Digitalが、キオクシアを買収する交渉が大きく進展していると報じた。 買収額は200億ドル。しかし、その後、報道はない。
2021/9/31 Western Digital、キオクシアを買収か?
なお、キオクシアホールディングスは3月3日、四日市工場と北上工場で部材に不純物が見つかり生産を一部停止した影響で、3次元構造の「フラッシュメモリー」の出荷に遅れが見込まれると発表した。
両工場は1月に停止し、2月下旬に通常稼働に戻っている。部材を調達した段階で不純物が既に入っていたことが分かり、問題のない部材を購入する対応を取ったという。
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