スウェーデンのNorthvolt、ドイツに3番目の電池工場建設

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スウェーデンの電池メーカー Northvolt は3月15日、ドイツ北部の Heideに電気自動車(EV)用の電池工場を建設すると発表した。
2025年後半に生産を始める。同社として3拠点目となる電池工場で、能力は60 GWhで、
リチウムなどのレアメタルを再利用するためのリサイクル工場も敷地内に設ける。

完成すれば同社の能力は下記の通り、170GWhとなる。

能力 提携EV会社
スウェーデン北部 Skelleftea 最終 60 GWh VW 40GWh、Volvo 15GWh 2021年後半生産開始予定
スウェーデン Gothenburg 50 GWh Volvo 2025年稼働
ドイツHeide 60 GWh 2025年稼働
合計 170 GWh


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Northvoltはリチウムイオンバッテリーを生産する会社で、2016年に元Teslaの幹部のPeter Carlsson氏により設立された。

Northvoltは2019年にVW、BMW、Goldman Sachs、IKEAグループなどから合計10億米ドルの出資を受けた。増資と欧州投資銀行からの4億ドルの融資で、第1号の工場をスウェーデン北部 Skelleftea(シェレフテオ)に建設、16GWhの生産から始め、最低32GWh以上の容量まで増やすとしていた。

Northvoltは3月1日に米国のバッテリー技術の企業 Cuberg を買収し、Silicon Valleyに先端技術センターを得た。 Cubergは液体電解質にリチウムメタルアノードを組み合わせる次世代バッテリーを商業展開するためにスタンフォード大学からスピンアウトした。
Cubergのバッテリーは、電動航空機使用向けにデザインされた同程度のリチウムイオン電池に比べて航続距離と容量を70%増やすとされる。

一方、Volkswagen(VW)は2021年3月、Northvoltとの間で、今後10年にわたるバッテリー製造で140億ドルの契約を結んだ。

Northvoltの株式を追加取得し、Northvoltが欧州のVWグループ向けの主要な電池サプライヤーとなる。

提携の一環として、Northvoltのスウェーデンのプラントは拡張し、40 GWh とする。

VWは最重要部品となるバッテリーについて、電池メーカーとの合弁などを通じて40 GWh の工場を2030年までに欧州で6カ所設ける。規格を統一した電池("Unified Cell")を大量生産しコストを半減、ガソリン車より安いEVを目指す。

2021/3/23 VWグループ、EV向け次世代電池を大量生産

Northvoltは2021年6月9日、増資で27億5000万ドルを調達すると発表した。スウェーデン北部Skellefteaで年内に稼働する工場の生産能力を5割引き上げ、60GWhギガワット時(6000万キロワット時)する。電気自動車(EV)への移行で高まる需要に応える。

今回の資金調達ではVWや米ゴールドマン・サックスなどの既存株主のほか、スウェーデンやカナダの年金ファンドなどが新たに参加した。VWは同日、6億2千万ドルを出資することを発表、約20%の出資比率を維持する。

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NorthvoltとスウェーデンのVolvo Cars Groupは2021年6月21日、電気自動車(EV)用電池を開発、生産する合弁会社を設立すると発表した。出資比率は50:50で、まずスウェーデンに研究開発センターを設立し、2022年に稼働を始める。また、欧州域内に電池生産工場を新設し、2026年から生産を始めるとした。

Volvo Cars はNorthvoltのSkelleftea工場で生産した年間15GWhの電池セルを調達することも検討している。

Volvoは2020年代半ばまでに、販売するクルマの半分をEVにし、2030年までにラインアップのすべてをEVにすることを目指している。

NorthvoltとVolvoは2021年12月、バッテリーの開発と製造への300億クローネ(約3,759億円)の投資の一環として、スウェーデンのイェーテボリ(Göteborg)にR&Dセンターを開設することを決めた。

両社は2022年2月4日、イェーテボリ(Göteborg) の近郊に大規模なEV用電池工場を建設すると発表した。
新工場は2023年から建設を始め、2025年から稼働を開始する予定で、最大3000人を雇用する。年間生産能力は最大50GWhで、年間約50万台の電気自動車(EV)に供給できる。

生産した電池セルは、VolvoおよびPolestarブランドの次世代高級EVに搭載する。

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