ウクライナのシュミハリ首相は2月24日、北部にあるチェルノブイリ原子力発電所が戦闘の末、ロシア軍に占拠されたと明らかにした。
ウクライナ原子力規制監督庁幹部は、チェルノブイリ立ち入り禁止区域で2月25日に放射線量の上昇が確認されたと説明した。ウクライナ議会も、同区域の自動監視装置のデータが通常以上の放射線量を示したと発表した。
国際原子力機関は、報告された放射線量は低く、危険な水準ではないと発表した。
チェルノブイリ原子力発電所では1986年4月26日、試験運転をしていた4号機で爆発が発生して、大量の放射性物質が放出された。
爆発を起こした4号機は「石棺」と呼ばれるコンクリートなどの建造物で覆われたが、老朽化したため、2019年には「石棺」を巨大なシェルターで外側から覆った。残り3基は運転を続けたが、順次停止、2000年に全停止した。
ウクライナのクレバ外相は3月4日、ウクライナ南東部、エネルホダルにある国内最大規模の ザポロジエ原子力発電所について「ロシア軍があらゆる方向から攻撃している、すでに火災が起きている」と述べた。火災は敷地外の研修施設と報道された。
その後、ロシア軍が同原発を制圧した。
左から、2基の冷却塔と6基のリアクター。冷却塔右のビルと煙突は3km奥の火力発電所のもの
ーーー
ウクライナは原発依存度が極めて高い。 (残りの火力もロシアからの天然ガスに依存している。)
ベラルーシはついに原発の導入に踏み切り、2020年11月7日、同国初となる「ベラルーシ原発」で、1号機(119万kw)が稼働した。2号機が2022年に稼働の予定。
ウクライナの原子力発電所は次の通り。
いずれもロシア型加圧水型原子炉である。
炉型 | 出力 | 運転開始 | ||
ザポロジェ | 1~6号機 | VVER-1000/320 | 100万kw x 6 | 1984/12~1995/10 |
ロブノ | 1~2号機 | VVER-440/213 | 42万kw、41.5万kw | 1980/12、1981/12 |
3~4号機 | VVER-1000/320 | 100万kw x 2 | 1986/12、2004/10 | |
南ウクライナ | 1号機 | VVER-1000/302 | 100万kw | 1982/12 |
2号機 | VVER-1000/338 | 100万kw | 1985/1 | |
3号機 | VVER-1000/320 | 100万kw | 1989/9 | |
フメルニツキ | 1~2号機 | VVER-1000/320 | 100万kw x 2 | 1987/12、2004/8 |
合計 | 1,383.5万kw |
設計寿命は30年で、順次、寿命延長作業を行っている。
ーーーーーーーーーーー
前日以前のブログを続けてみる場合は、ページトップのタイトル(下の部分)をクリックしてください。
過去のデータは下記から利用できます。
ブログ & データベース専用検索
COVID-19関連はここをクリック
コメントする