アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は2022年3月16日、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げると決めた。
セントルイス連銀のブラード総裁は反対し、利上げ幅0.5%を主張した。
新型コロナウイルス危機への対応として始めたゼロ金利を2年ぶりに解除、インフレ抑制に向けて大きな一歩を踏み出した。
FRBは声明で「最大限の雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している」と述べている。
パウエル議長は記者会見で「政策金利の誘導目標の継続的な引き上げが適切だと考える」と表明した。米景気が後退する可能性は「特に高まっていない」との認識を示した。
2022年中に今回を含め7回、 0.25%ずつ、利上げする想定を示した。(年末には1.75%になる。)
さらに2023年も3~4回の利上げを見込み、金利水準は2.8%程度まで上がると想定される。
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FRBは2021年11月3日、11月にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始すると発表した。
11月から毎月の購入額を国債を100億ドル、住宅ローン担保証券を50億ドルの合計150億ドルずつ減らしていく計画を正式に決定した。順調にいくと8カ月で購入はゼロとなり、2022年6月でテーパリングは終了する。
この時点では、Federal Fund金利の目標誘導レンジを 0.00% ─ 0.25%に維持することを決定、2020/3/15 以降の利率を維持した。
労働市場の状況が委員会の最大雇用の評価に一致する水準に達し、インフレ率が2%に上昇して当面の間2%をやや超えるような軌道に乗るまで、この目標誘導レンジを維持することが適切だとした。
2021/11/5 FRB、11月から量的緩和の縮小開始
2022年2月のこれらの状況は下図のとおりで、失業率は低下し、物価はエネルギー価格の急騰もあるが、エネルギーと食品を除くコアも急上昇している。
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