コスモエネルギーホールディングスは3月9日、筆頭株主のアラブ首長国連邦(UAE) のアブダビ政府のファンドの Infinity Alliance Limited が持分 15.70%を全て売却すると発表した。
コスモはInfinity Alliance がこの株式全てを海外市場で売却することを承認した。
売り出し価格は時価から16.21%割り引いたもので、売却総額は326億円となる。
Infinity Allianceはアブダビ首長国100%出資会社であるMubadala Investment Company の100%子会社。
コスモは Infinity Alliance から保有株式の売却に関する相談を受け、協議を重ねてきたが、Mubadala との戦略提携によって一定の事業上の成果を得たこと、またMubadala の投資戦略の進展に基づく株式売却に係る意向を尊重し、協力して株式売出しの実施を承認することとした。
株式売出し実施後にMubadala との資本関係及び提携関係は解消されるが、引き続きMubadalaとの良好な関係を継続していくことを確認している。
アブダビでの石油開発事業や原油の安定調達といった事業活動への影響はない。
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コスモ石油は2007年9月18日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国が100%出資するIPIC(International Petroleum Investment Company)と業務提携することを決議したと発表した。
IPICが100%出資する特別目的会社 Infinity Alliance Limitedを割当先に株式総数の約20%に相当する株を発行、約891億円を調達した。
IPICはアブダビ首長国外におけるエネルギー事業への投資を主な事業内容としており、コスモ石油は共同事業案件として、コスモ石油の製油所の高度化・高付加価値化、環太平洋地域における石油製品販売事業の拡大、アブダビ首長国外における新規油田開発などを検討するとした。
IPICは世界各地で石油関連の企業に投資している。下記に出資先を記載(現状は未確認)
2009/2/24 アブダビのIPIC、カナダのNOVA Chemicals を買収
IPICは2016年8月に政府出資のMubadala Development Companyと合併し、Mubadala Investment Company となった。
2021年8月10日、Infinity Alliance はコスモ石油の株式の一部を売却、出資比率は20.76%から15.69%となった。
今回、残りの全株を売却する。
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