インドネシアで2つの統合バッテリー計画

| コメント(0)

インドネシアのPertaminaなど国営企業4社で設立したIndonesia Battery Corporation (IBC)は4月14日、2つの統合バッテリー計画の基本契約に調印した。ニッケル採掘から電池までのバリューチェーンを構築する。

Indonesia Battery Corporation(IBC)はインドネシアの国営4社:石油の Pertamina、電力のPLN、鉱業持株会社のMIND ID(Mining Industri Indonesia)、国営ニッケル・金鉱山のPT Aneka Tambang(ANTAM)が2021年に25%ずつの出資で設立した。

第一は、世界最大手の中国の電池会社 寧徳時代新能源科技(CATL)の子会社であるPT Ningbo Contemporary Brunp Lygend (CBL)との契約である

国営鉱業持株会社のMIND ID(Mining Industri Indonesia)の所有の1社でニッケルなど非鉄金属を扱うPT Aneka Tambang Tbk (ANTAM)を含めた3社で統合EVバッテリー計画の基本契約に調印した。

同プロジェクトにはニッケル採掘・加工から、EVバッテリー素材、EVバッテリー製造、バッテリーリサイクルまでを含んでいる。 能力は10GWhとされる。

ーーー

実現すれば、寧徳時代新能源科技(CATL) にとって海外で2つ目の工場となる。

寧徳時代新能源科技(CATL)は2022年4月4日、ドイツのリチウムイオン電池工場におけるバッテリーセルの製造許可を地元当局から取得した。

子会社 CATT(Contemporary Amperex Technology Thuringia)がドイツ中部のチューリンゲン州にある工業団地エアフルター・クロイツに建設する。

ドイツの自動車メーカーに電池を供給する予定で、生産能力は、まずは年間8GWhとし、将来的には14GWhまで拡大する。2022年末までに建設を完了し、生産を開始する見込み。

なお、BASFは2021年9月16日、CATLと協力のための戦略的提携を発表した。リチウムイオン電池用の正極材と蓄電池リサイクルでの協力で、(1)蓄電池の持続可能なバリューチェーンの構築、(2)CATLの欧州でのビジネス展開協力、(3)両社の気候中立目標達成への寄与を目指す。

第二は韓国の LG Energy Solution主導のコンソーシアムとの契約で、これもPT Aneka Tambang Tbk (ANTAM)を含めたもの。

LG Energy Solutionのコンソーシアムメンバーは、LG Energy Solution、LG Chem、LX International (旧 LG商事)、POSCO Holdings、中国のZhejiang Huayou Cobalt 浙江華友コバルト) である。

90億ドルを投資し、ニッケルから最終製品までの電池のバリューチェーンを完成させる。

ーーー

2021年7月末に、LG Energy Solution と現代自動車が共同で、インドネシアの首都ジャカルタ近郊にEV向けニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム正極(NCMA正極)を採用したリチウムイオン電池セル生産工場を建設することを発表した。

投資金額は両者の折半で合計11億ドル。2024年から、年間10ギガワット時(GWh)(EV15万台相当)の電池セルを生産する。



インドネシアの国営4社が設立した
Indonesia Battery Corporation (IBC)が中国のCATL、韓国の LG Energy Solutionとそれぞれ協働するもので、両計画を合わせた投資額は150億ドルに達する。

担当大臣は、インドネシアがEVバッテリーのグローバルリーダーの一つになる重要な一歩であると述べた。

インドネシアは電池の主要原料であるニッケルで豊富な埋蔵量 (2100万トンとされる)を持ち、国内に関連産業を集積させて車載電池やEVを主要な輸出品目に育てる思惑がある。

ーーー

参考

MIND IDはIndonesia Asahan Aluminiumの持株会社機能を独立させたもので、これにより、Indonesia Asahan Aluminiumはグループの事業会社となった。

アサハンアルミ(Inalum)はインドネシア国有のアルミニウム精錬会社であるが、2017年に政府の方針で、国有の鉱工業企業の持株会社となった。

2017年11月の政令で、非鉄金属のPT Aneka Tambang (ANTAM) 、錫のTimah Tbk PT (TINS)、石炭のBukit Asam (PTBA)の政府持ち株がアサハンアルミに譲渡された。
各社固有の経営資源と技術の相乗効果を狙う。

インドネシアのジョコ大統領は2018年7月12日、米鉱山大手 Freeport-McMoRan Inc.の現地法人 PT Freeport Indonesiaの株式の51%を国営鉱業大手のPT Indonesia Asahan Aluminium:Inalumが取得すると明らかにした。 世界第2の銅鉱山のGrasberg鉱山を取得する。

2018/7/17 インドネシアのアサハンアルミ、銅鉱山運営のFreeport Indonesiaの株式の51%を取得

コメントする

月別 アーカイブ