経済産業省はロシア・ウクライナ情勢を踏まえ、3月18日に「戦略物資・エネルギーサプライチェーン対策本部」を設置した。
対策を講じる必要のある物資として次を挙げた。
・石油、LNG、 石炭(一般炭・原料炭)
・半導体製造プロセス用ガス
・パラジウム(触媒用途等)
・合金鉄(ステンレス・鉄鋼製造用)
経済産業省は3月31日、初会合を開き、ロシアのウクライナ侵攻の影響で調達難が懸念される重要物資7品目の安定供給策をまとめた。
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220331013/20220331013-1.pdf
各製品の依存度と対策は次の通りで、いずれの製品も抜本的な対策は見当たらない。
1-1 石油
対策:
OPEC中心に増産の働きかけ
主要消費国との連携
使用量低減対策
JOGMEC等の開発支援
1-2 LNG
対策:
産ガス国への働きかけ
JOGMEC等の開発支援
需給状況の常時把握
緊急対応策
Carbon Neutral燃料への転換支援
1-3 石炭
対策:
石炭使用量低減対策
産炭国への働きかけ
2.半導体製造用ガス:ネオン、クリプトン、キセノン
製鉄所等に酸素、窒素を供給する大型空気分離装置から副生
別情報では、ウクライナがネオンの70%、 クリプトンの40%、キセノンの30%を占める。
2022/3/22 ウクライナ問題、半導体生産に影響
対策:
供給源の多元化
リサイクル装置導入に向けた政策支援
素材メーカーによる製造設備投資に向けた支援
日米を中心とした同盟国・有志国間でのサプライチェーン協力枠組み
3. パラジウム 自動車用排ガス触媒、歯科用銀歯、電子機器メッキ用
2022/3/24 ロシアのウクライナ侵攻でパラジウム危機、自動車業界に大きな影響
対策:増産要請、リサイクル拡大
省パラジウム技術開発
JOGMECによる鉱山開発(南ア)支援
4. 合金鉄 鉄鋼生産に不可欠の添加剤で、鉄の耐熱性や耐食性を向上させる。
対策:
国内外の製造業者に増産要請
JOGMECが日系企業とともに鉱山開発、精錬に出資計画
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