日立製作所、日立物流を売却へ

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日立製作所が、物流大手で株式の39%を保有する日立物流の株式を売却する方向で調整を進めていると各紙が報じた。

米大手ファンドのKKRに売却に向けた優先交渉権を与えた。優先交渉権は4月28日まで。ほかの投資ファンドもこれまで買収交渉に参加しており、交渉が最終的にKKRでまとまるかは不透明な面も残る。

交渉がまとまり次第、KKRは6000億円超を投じ、日立物流のTOBに乗り出す。KKRがTOBを実施すれば日立物流と日立製作所は賛同する見通し。

日立はKKRの買収後も1割の株式は保有し続け、物流システムなどでの協業は継続する。今回の売却で日立は2000億円前後の資金を得る模様。

付記 

KKRは4月28日、日立物流株をTOBで取得すると発表した。TOB価格は1株8913円。

日立製作所は4月28日、売却を発表した。

KKRのTOBには応じない。
日立物流の自己
株式取得じて売却する(譲渡価額2,220 億円)
総額 100 億円公開買付者親会社議決権付株式取得(議決権比率 10)
 これにより、KKRが日立物流の100%を取得した場合、うち10%は日立が所有することとなる。

20233月期連結決算におけるその収益として、事業再編等利益約 1400計上

日立は日立物流の株の59.01%を保有していたが、宅配大手の佐川急便を傘下に持つ「SGホールディングス」との経営統合を目指し、2016年5月に株式の29%をSGホールディングスに譲渡した。
世界で戦う日本企業の競争力向上に寄与するべく、両社の強み融合をめざした戦略的施策実現を企図した。(日立 30.01%、SG 29.00%)

しかし、SGホールディングスは 新型コロナウイルスの影響で物流業界を取り巻く環境が大きく変化し、期待された国際物流での相乗効果が薄れたたとし、2020年9月29日付で保有する日立物流株の一部を売却し、持ち分比率を15.27%に引き下げ た。売却分の一部を日立が買い戻したと見られる。
 (日立39.91%, SG 15.27%)

SGホールディングスは2021年4月15日、持分比率の変更を目的として、保有する日立物流の一部株式を市場外取引で売却した。
 (日立 39.91%、SG9.8%)

日立物流はその後も国際的な総合物流グループの形成に向けた提携などの模索を続けていた。

SGホールディングスへの株式売却は下記の非中核事業売却の一環であり、SGとの統合計画は元に戻ったが、売却を進める方向には変わりはない。

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日立製作所は「選択と集中」を旗印に、成長分野と位置づけるエネルギーなどのインフラやIoT(モノのインターネット)事業に経営資源を集中させる方針である。

非中核分野を次々に売却していった。上記のSGホールディングスとの統合を目指し、59.01%保有の日立物流の株式の一部をSGホールディングスに売却したのはその一環である。

2009年に上場子会社は22社あった。

2009年に日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービス、日立プラントテクノロジー、日立マクセルを完全子会社とすべく、TOBを実施。いずれも上場廃止。

2014年に日立メディコと、2016年に日立モバイルと、株式交換を行ない、上場廃止。

2018年にクラリオンを売却した結果、2019年には日立化成、日立金属、日立建機、日立ハイテクノロジーズ (2020/2 日立ハイテクに改称)の4社に減った。

2020年には上場4子会社のうちの日立化成株式を51.29%全てを 昭和電工に譲渡した。

2019/12/2 日立製作所、子会社日立化成を昭和電工に売却へ
2019/12/25 昭和電工、日立化成にTOB 

日立製作所は約53%の株式を保有する上場子会社の日立金属を売却すると報道されていたが、米投資ファンドのBain Capital と日本産業パートナーズ、ジャパンインダストリアルソリューションズのコンソーシアムが独占交渉権を得たことが分かった。日立は持株全てを売却する。この場合、日立化成の場合と同様、上限なしのTOBとなる。

日立製作所は2021年11月30日、保有する日立金属の株式を売却する時期について、当初予定していた2022年3月期から2023年3月期に後ずれすると発表した。日立は日立金属株に対する公開買い付け(TOB)を2021年11月下旬に開始する予定だったが、一部の国で競争法に基づく手続きなどが完了していないという。

日立金属の売却が実施されると、以前の御三家が全て売却されることとなる。

これにより日立製作所は以前の重工業企業から変身する。

2021/4/15 日立製作所、米GlobalLogicを買収、日立金属を売却 & 付記

日立製作所は2021年4月7日、上場子会社である日立ハイテクの完全子会社化に向けてのTOB(@8000円、総額5311億円)が成立したと発表した。買い付け予定株数の下限以上となったため、応募株式の全部を買い付ける。日立ハイテク株の保有比率は51.73%から90.55%に高まる。TOB成立により、日立ハイテク株は2020年5月18日に上場廃止となった。

今回、最後に残った上場会社の日立建機の持株の一部を売却し、子会社から持分法適用会社とする。

これで、2009年に22社あった日立の上場子会社はすべて無くなる。

2022/1/19 日立製作所、日立建機の株式を一部売却

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