増収、大幅利益となり、増配した。
単位: 億円 |
売上高 |
営業損益 |
税引前 損益 |
株主帰属 損益 |
配当(円) | |||
コア | 非コア | 合計 | 中間 | 期末 | ||||
2020/3 | 35,805 | 1,948 | -505 | 1,443 | 1,220 | 541 | 20 | 12 |
2021/3 | 32,575 | 1,747 | -1,272 | 475 | 329 | -76 | 12 | 12 |
2022/3 | 39,769 | 2,723 | 309 | 3,032 | 2,904 | 1,772 | 15 | 15 |
増減 | 7,194 | 976 | 1,580 | 2,557 | 2,575 | 1,847 | 3 | 3 |
2023/3予 | 44,360 | 2,750 | 20 | 2,770 | 2,660 | 1,530 | 15 | 15 |
前年の2021/3ではコア営業利益が減額で、多額の減損損失を計上し、株主帰属損益が赤字となり、減配。
今期はコア営業利益が前々年比でも増益で、減損損失もなく、大幅増益となった。
前期には下記の非コア損益があった。
ヘルスケア
(田辺三菱製薬)-84,534 2019/10/18にイスラエルの中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発 を行なうNeuroDerm Ltd.を総額11億ドル(経費込み1,252億円)で買収したが、予定した収益性が低下する見込みとなり、技術に係る無形資産を減額
(詳細 2021/2/10ブログ参照)MMA
(旧 三菱レイヨン)-19,382 米国子会社 Lucite Internationalのテキサス州BeaumontにおけるMMAモノマー及びMAA生産を終了し、工場を閉鎖することを決め 、減損損失を計上した。 2020/11/6 三菱ケミカル、テキサスのLuciteのMMAプラント閉鎖
これに関連し、コア営業損益のなかに、特別退職金 -901百万円、工場閉鎖関連損失引当金繰入額 -3,318百万円 、合計 -4,219百万円を計上した。
2021/2/10 三菱ケミカルHD、2021年3月期決算 480億円の赤字予想
コア損益 数量差の影響が大きい。
18/3 19/3 20/3 21/3 22/3 増減 売買差 数量差 コスト差 その他 23/3 機能商品 940 713 613 597 787 190 -51 313 56 -128 850 MMA 1,096 944 238 131 318 187 179 140 95 450 350 石化 259 87 -21 17 446 429 200 炭素 124 249 81 10 258 248 200 産業ガス 575 633 880 851 989 138 11 201 6 -80 1,050 ヘルスケア 812 538 165 179 -70 -249 -80 116 32 -317 140 その他/全社 -1 -23 -8 -38 -5 33 -4 39 0 -2 -40 合計 3,805 3,141 1,948 1,747 2,723 976 55 809 189 -77 2,750
MMA、石化、炭素の増益が大きい。この損益差の「その他」は原料価格上昇に伴う在庫評価益(総平均法による)が大きい。MMAと石化の損益推移
MMA価格は2019年に@2650であったが、2020年に@1550弱となった。最近は@1900程度とされる。
産業ガスは好調で推移。下記日本酸素ホールディングス参照
ヘルスケアについては、下記の田辺三菱製薬を参照
なお、三菱ケミカルホールディングスは2021年12月1日、新経営方針「Forging the future 未来を拓く」を策定した。
石油化学事業及び炭素事業については、分離・再編し、独立化を進めることで、国内基礎化学産業の再編を主導するとしている。
2021/12/2 三菱ケミカルホールディングス、石油化学事業及び炭素事業を分離・再編へ
田辺三菱製薬
三菱ケミカルホールディングスは田辺三菱製薬の普通株式の全てを取得し、田辺三菱製薬は、2020/2/27に上場廃止となった。
2019/11/22 三菱ケミカルホールディングス、田辺三菱製薬に公開買付け
単位:億円 売上高 営業損益
税引前
損益株主帰属
損益配当(円) コア うち
ロイヤリティ非コア 合計 中間 期末 2019/3 4,248 558 631 -55 503 504 374 28 28 2020/3 3,798 191 174 -252 -61 -65 1
非公表2021/3 3,778 210 159 -795 -585 -577 -46102 2022/3 3,859 -30 133 -127 -157 非公表 -102 増減 81 -240 -26 668 428 2023/3予 4,095 180 非公表 0 180 非公表
コア営業利益
Medicagoが開発を進めている新型コロナウイルスワクチンやNeuroDerm社が開発を進めているパーキンソン病の治療薬など、複数のグローバル後期臨床試験が同時進行したことに加え円安の影響もあり、研究開発費が一時的に増大し、コア営業利益は前期比240億円減益となった。
なお、カナダの60%出資子会社Medicagoが開発しているCOVID-19の植物由来のウイルス様粒子ワクチン(商品名:COVIFENZ)について、2022年2月24日、カナダで承認を取得した。
しかし、WHOは同社がタバコメーカーのPhilip Morrisからの出資(Philip Morris 40%)を受けていることを理由に、WHOの緊急使用承認を「受けられない可能性が非常に高い」と発表した。タバコや武器会社との提携に関するWHOの「非常に厳しい」ポリシーに抵触する恐れがあるため、緊急使用承認が一時停止されているという。コア営業損益のほとんどを占めていたロイヤリティ収入が2929/3期以降、激減し、大幅減収減益となった。
同社はロイヤリティ収入を除くと、コア営業損益はほとんどゼロであった。問題は多発性硬化症治療剤「ジレニア」のロイヤリティ収入である。
2019年2月、ノバルティスから本件契約の規定の一部の有効性について疑義が提起され、2019年2月15日、国際商業会議所より、ノバルティスを申立人とする仲裁の申立てがあった旨の通知を受領した。
ノバルティスは、米国、EU等における製品の売上ベースのロイヤリティ支払い義務を定める本件契約の規定の一部は無効であり、ノバルティスにはロイヤリティの一部の支払義務がないことの確認を求めている。
IFRSルールでは、収益認識基準の要件の一つ に「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」 があり、ノバルティスが契約の有効性について疑義を提起している部分がこれを満たさなくなったため、売上収益から除外する。
2019/5/16 注目会社の決算 田辺三菱製薬
非コア損益については2021年3月期に下記の大幅減損(845億円)があった。
2019/10/18にイスラエルの中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発 を行なうNeuroDerm Ltd.を総額11億ドル(経費込み1,252億円)で買収したが、予定した収益性が低下する見込みとなり、技術に係る無形資産を減額(詳細 2021/2/10ブログ参照)
日本酸素ホールディングス (三菱ケミカルHDの産業ガス部門)
2014年に三菱ケミカルHDがTOB 三菱ケミカルと合わせ、50.56%
2014/5/19 三菱ケミカルホールディングス、大陽日酸株式の公開買い付け
2020年10月に大陽日酸から日本酸素ホールディングスに改称。
2018年に米国のPraxair, Inc.の欧州事業を買収、損益に大きく貢献している。
2018/7/13 大陽日酸、米国Praxairの欧州事業を買収
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