主要企業の2022年3月期決算  住友化学 

| コメント(0)

増収、増益、増配となった。

単位:億円 売上高

営業損益

税引前
損益
株主帰属
損益
配当(円)
コア うち
持分法
非コア 合計 中間 期末
2020/3 22,258 1,327 92 49 1,375 1,305 309 11 6
2021/3 22,870 1,476 -125 -105 1,371 1,378 460 6 9
2022/3 27,653 2,348 422 -198 2,150 2,511 1,621 10 14
増減 4,783 872 546 -93 779 1,133 1,161 4 5
2023/3予 31,200 2,000 -200 1,800 1,250 12 12

コア損益

19/3 20/3 21/3 22/3 増減 23/3
エッセンシャルケミカルズ 616 145 -120 535 655 410
エネルギー・機能材料 230 203 203 201 -2 180
情報電子化学 262 251 397 578 181 610
健康・農業関連 197 21 315 423 108 475
医薬品 808 753 717 617 -100 330
その他 94 88 128 158 30 155
全社 -164 -134 -164 -164 0 -160
合計 2,043 1,327 1,476 2,348 872 2,000

石油化学をエッセンシャルケミカルズに改称

コア損益のうち、持分損益は下記の通りで、石油化学部門のコア営業損益の推移と相似している。

サウジのPetroRabigh(37.5%出資)は2020年は定期修理で長期停止したため、大きな赤字を計上したが、2021年は大幅な黒字となった。


情報電子化学は好調が続く。


健康・農業関連は2020年3月期には飼料用メチオニンの価格低下で採算が悪化していたが、その後、市況が上昇、海外農薬の出荷増もあり、採算向上した。

医薬品は下記、住友ファーマ(旧称:大日本住友製薬)を参照。


非コア項目 

合計 住友ファーマ
2020/3 2021/3 2022/3 2020/3 2021/3 2022/3
減損損失 -373 -408 -81 -352 -357 -16
条件付対価 公正価値変動 485 225 33 485 225 33
事業構造改善費用 -78 -63 -106
固定資産売却益 9 187 7 167
その他 6 -45 -51 -20 -19
合計 49 -105 -198 113 16 17


条件付対価 公正価値変動 (2020/3 & 2021/3):

事業買収に当たり、買収額と純資産との差は「のれん」となるが、一定条件を満たした場合に追加支払いをする契約がある。
IFRS基準ではこの場合、買収時点で将来の追加予想支払額を「のれん」と負債に計上する。
その後、追加支払い契約分が確定した時点で、買収時に計上した「のれん」は修正せず、損益処理する。
さらに追加支払いの場合はその分を費用計上、支払い不要の場合は負債を消し、利益を計上する。別途、過大であった「のれん」を減損処理する。

大日本製薬の場合、いくつかの買収で追加支払いが不要となり、買収時に計上した負債を消し、利益に計上した。合わせて、「のれん」を評価しなおし、減損損失を計上した。
大日本製薬の売却益は既に休止している茨木工場跡地の売却益である。

ーーー

住友ファーマ(旧称 大日本住友製薬)
2005年10月1日に住友製薬と大日本製薬が合併し、大日本住友製薬となったが、2022年4月1日付で住友ファーマに改称した。

Sumitovant関連(下記)で減益となったが、2023年3月期はさらに大幅減益となる。

単位:億円 売上高

営業損益

税引前
損益
株主帰属
損益
配当(円)
コア うち
Sumitovant
非コア 合計 中間 期末
2020/3 4,827 720 -156 113 832 839 408 14.0 14.0
2021/3 5,160 696 -636 16 712 779 562 14.0 14.0
2022/3 5,600 585 -869 17 602 830 564 14.0 14.0
増減 441 -111 -233 1 -110 51 2  0 0 
2023/3予 5,500 300 -60 240 220 14.0 14.0

大日本住友製薬は2019年10月31日、米国のRoivant Sciencesとの間で、戦略的提携に関する正式契約を締結し、米国に運営会社Sumitovant Biopharmaを設立した。

2019/11/4 大日本住友製薬、Roivant Sciences と戦略的提携、30億ドルを投資 

仕掛研究開発費として2,659億円を資産計上した。Sumitovant販売活動の本格化で、同社の販管費、研究費は増加している。

全社損益のうち、Sumitovantの 部分は下記の通り。既存製品の収益でSumitovantの費用を賄っている。

単位:億円 売上高 販間費 研究費

営業損益

株主帰属
損益
コア 非コア 合計
2020/3 0 65 90 -156 0 -156 -119
2021/3 78 465 246 -636 0 -636 -443
2022/3 357 903 243 -869 4 -869 -716
増減 279 438 -3 -233 4 -229 -273
2022/3予   1,179 258       非開示

コメントする

月別 アーカイブ