大阪ガス、豪州で2つのグリーン水素ハブ構想へ参加

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大阪ガスは6月17日、豪州最大手の総合エネルギー事業者であるAGL Energy Limitedと、豪州南オーストラリア州およびニューサウスウェールズ州におけるグリーン水素ハブ構想の実現可能性調査に参画するための基本合意書を締結したと発表した。

4月に発表したDesert Bloom (Green) Hydrogen 構想(後記)に続くものである。

AGL Energyは、豪州で電気とガスの製造や小売事業を展開している総合エネルギー事業者で、太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギーの発電設備も多く保有しており、火力も含めた発電設備の保有電源量は1,100万kWになる。

本事業は、AGL Energyが南オーストラリア州のTorrens IslandとNew South Wales州のHunter Valleyに保有している既存発電設備の敷地内で、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解することでグリーン水素を製造 するもの。

それぞれ同州内の事業者に供給するとともに、海外への輸出も目指している。また、グリーン水素を活用して、メタネーションにより製造される合成メタンおよびグリーンアンモニア製造についても検討を行う予定 。

Torrens Island計画には他に、INPEX(旧称 国際石油開発帝石)、Adbri(豪セメント等のメーカー)、Brickworks(豪建材メーカー)、Flinders Ports(豪州の7つの港を管理)、SK ecoplant(SK建設)、Spark Renewables(Spark Infrastructure Group)が参画する。

Hunter Valley計画では、AGL Energyが再生可能エネルギー、Fortescue Future Industries(Fortescue Metalsの子会社)が水素製造を中心に、共同でグリーン水素ハブ構想の検討を進めている。

製造設備や供給設備などの建設に向けた検討、需要調査および経済性評価などをパートナーと共同で進め、2022年末の完了を目指 す。

大阪ガスは4月12日、オーストラリアの水素関連企業であるAQUA AEREM Pty Ltd と、オーストラリア北部準州におけるDesert Bloom (Green) Hydrogenプロジェクトに関する共同開発契約を締結した。

本プロジェクトは、大気中から回収した水太陽光由来の電気を原料として、グリーン水素を製造し、オーストラリア国内の発電所への供給や国外への輸出を目指 すもの。

オーストラリア北部準州は日射量が非常に多く太陽光の活用に適している一方で、乾燥地帯であり水資源に乏しい地域だが、豊富な太陽光資源を活用しつつ、AQUA AEREMの独自技術により大気中から水を回収することで、グリーン水素の製造が可能とな る。

送電網と接続されていない電気を用いて水素を製造する取り組みは非常に先進的で、オーストラリアで最も期待されている水素開発プロジェクトの一つ。長期的には、複数の水素製造プラントを建設し、合計で年間約40万トンの水素を製造することを目指 す。

現在、AQUA AEREMは同社の筆頭株主であるSanguine ImpactInvestmentとともに大気中から水を回収する「水生産ユニット」の実証試験を進めて いる。
今後は大阪ガスと共同で、まずは2023年中の年間約400トンの水素を製造するプラントの建設を目指して、プラントの設計や製造した水素の供給先に関する検討などを進める。

大阪ガスは、ガス製造事業や水素関連事業で培ったノウハウを活かして、プラントの基本設計(FEED)、建設に関する技術支援を行 う。

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