ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニアの7か国と東ティモールの計8カ国を歴訪
ミクロネシア連邦、ニウエともオンライン形式で会談した。(当初はクック諸島も入った10カ国としていたが、参加していない)
台湾と国交を結んでいるツバル、マーシャル諸島、パラオ、ナウル4か国は除外している。
中国は、数百万ドル規模の援助、自由貿易協定の展望、中国市場への参入機会提供を提案。見返りとして、各国の警察の訓練、サイバー安全保障への関与、政治的関係の拡大、海洋地図の作成、天然資源の利用拡大を求めたという。
経済面の連携強化などについては一致したが、中国側が求めていた安全保障での協力は合意できなかった。
中国は4月に艦船や軍隊の派遣を認める内容の安全保障協定をソロモン諸島と結んだ。ほかの島しょ国とも安全保障面での協力強化を模索しているが、今回の外相会議ではミクロネシア連邦が反対したとみられる。
ミクロネシア連邦大統領は他の当事国首脳に宛てた書簡で、中国側の提案は一見すると魅力的だが、中国に対し「われわれの地域への参入と支配」を許すものだと警告。提案は「不誠実」であり、中国による政治介入、主要産業の支配、通話や電子メールの大量監視が可能になると指摘した。
ミクロネシア連邦(とマーシャル諸島、パラオ)は 元米国の信託統治領で、独立後、米国と自由連合盟約を締結しており、南太平洋諸国の中でも米国と特に緊密な関係にある。
中国外務省報道官は記者会見で「各国はより多くの共通認識に達することを目指して努力することに同意した」と述べ、協議を継続する意向を示した。
またサモア政府の声明によると、5月28日のフィアメ首相と王氏との会談では、経済や技術分野での協定を締結したほか、安全保障についても議論した。
一方、オーストラリアや米国は、中国の影響力拡大を警戒して巻き返しを図っている。バイデン米政権は5月26日、米国主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」にフィジーが加わると発表した。
付記キリバスが2022年7月11日、地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」からの離脱を表明
事務局長選出過程に対する不満バイデン政権は、キリバスとトンガに大使館を開設するため、両国と協議を開始すると発表
付記
2022年8月にソロモン諸島が米沿岸警備隊の巡視船の寄港を拒否(4月に中国と安全保障協定を締結)
各国・地域名 | 台湾国交 | Pacific Islands Forum | 中国 外相会議 | 自由連合 盟約 | 2022/9/29 Summit | ||
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訪問 | 会議 | ||||||
メラネシア | パプアニューギニア | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ||
フィジー | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | |||
ソロモン | 2019/9断絶 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ||
バヌアツ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | |||
ポリネシア | サモア | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ||
トンガ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | |||
クック諸島 | 〇 | 〇 | |||||
ツバル | 〇 | 〇 | |||||
ニウエ | 〇 | 〇 | |||||
ミクロネシア | ミクロネシア | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
キリバス | 2019/9断絶 | 〇離脱? | ◎ | 〇 | |||
マーシャル | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
パラオ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ナウル | 〇 | 〇 | |||||
東チモール | ◎ | ||||||
豪州 | 〇 | ||||||
NZ | 〇 | ||||||
米国 | 〇 | 〇 |
付記 バイデン大統領は9月29日、太平洋島嶼国首脳を招いた会議を初めて開いた。参加したのは上記〇印とFrench Polynesia、New Caledoniaの14島嶼国で、豪州とNZがオブザーバーで参加した。
協力強化に向けた「米太平洋パートナーシップ宣言」に署名した。
ソロモン諸島は当初、声明に参加しないとしていたが、中国に配慮して表現を修正させたうえで署名した。
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