韓国、国産ロケットで実用衛星打ち上げに成功

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韓国が独自開発した国産ロケット「ヌリ」(KSLV-Ⅱ:Korea Space Launch Vehicle-2)が6月21日、南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられ、人工衛星を高度700kmまで運び、宇宙空間の目標軌道に乗せることに初めて成功した。

「ヌリ」は韓国の古い言葉で「世の中」や「世界」を意味する。全長約47m、重量200tの3段式液体燃料ロケットで、午後4時に打ち上げられ、性能検証衛星(162.5kg)とダミー衛星(1.3トン)の分離に成功した。

重量1トン以上の実用衛星を自力で打ち上げた世界7番目の国となった。(日本、米国、ロシア、フランス、中国、インドに次ぐ。)

ヌリは韓国航空宇宙研究院が韓国独自の技術で設計・開発した。衛星を打ち上げた75トン級と7トン級の液体燃料エンジンから 、衛星を保護するフェアリングまで国内で開発した。とりわけ、大型・小型のロケット開発に活用できる75トン級エンジンの性能を立証し、今後の宇宙開発の土台をつくった。


韓国は1990年代から科学ロケット開発に本格的に取り組んできた。
2003年に初の液体推進科学ロケット「KSR3」を打ち上げた。

韓国航空宇宙研究院がロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターと共同で100キロ級の小型衛星を搭載するロケット「羅老(ナロ)」を開発し、2009年から2013年まで計3回打ち上げた。1回目と2回目の打ち上げには失敗したが、3回目で成功した。


2009年の1回目に続き、2012年11月にも打ち上げを試みたが、電気信号の異常が見つかったため直前になって中止した。

2013年1月30日にSTSAT-2C(羅老科学衛星)を搭載した羅老3号機を打ち上げ、衛星の軌道投入に成功した。

「ヌリ」は当初、ロシアから羅老の第1段ロケットエンジンの技術移転を受ける予定であったが、破談となり、国産化を目指した。

苦心の末、2021年10月21日に国産ロケット「ヌリ」が打ち上げられた。1段目とフェアリング、2段目の分離が正常に行われたが、3段目のエンジンの燃焼が予定より早く終わり、ダミー衛星を目標軌道に投入する目標は達成できなかった。

今回、衛星の軌道投入に成功した。

韓国政府は2027年までにあと4回打ち上げを実施し、ヌリ号の技術的信頼度と安全性を高めていく。3回目の打ち上げは来年上半期に予定されている。

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