欧州中央銀行(ECB)は7月21日の理事会で、政策金利を0.5%引き上げると決めた。利上げは11年ぶりで、上げ幅は2000年以来22年ぶりの大きさ。
ロシア産天然ガスの供給不安で景気悪化懸念が急速に高まるものの、インフレ阻止を優先した。
主要政策金利をゼロ%からプラス0.5%、中銀預金金利はマイナス0.5%から0%に引き上げられ、2014年に導入したマイナス金利政策が終了する。
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欧州中央銀行(ECB)は6月9日、5月のインフレ率が8.1%と高い水準を維持しているため、量的緩和政策を終了し、政策金利を引き上げることを発表した。
これについて、7月21日に開催予定の次回理事会で11年ぶりに金利をそれぞれ0.25ポイント引き上げる。さらに、9月の理事会で発表されるユーロ圏に関するマクロ経済予測に基づき、さらなる引き上げを決定する。「中期的インフレ見通しが変わらないか悪化すれば、9月理事会でより大幅な引き上げが適切になる」としており、9月以降も、徐々に持続的なさらなる引き上げが適切だと予想している。
2022/6/13 欧州中銀、7月に0.25%利上げへ、量的緩和は終了
実際には今回、一気に0.50ポイント引き上げた。
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英国のイングランド銀行(中央銀行)は2021年12月16日、政策金利を0.15ポイント引き上げ、年0.25%とすると発表した。
新型コロナウイルス感染拡大以降、利上げによる金融政策の正常化に踏み切ったのは、日米欧の主要中銀では初めてとなる。
その後の利上げ 2022/2/3 →0.50%、3/17→0.75%、5/5→1.00%、6/16→1.25%
米連邦準備理事会(FRB)は6月14-15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント引き上げ、1.50~1.75%とした。
2022/6/16 米国、大幅利上げ
日本だけが取り残される形となる。
日銀は7月20~21日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めた。
記者会見で黒田東彦総裁はエネルギー価格の上昇などを背景に「価格転嫁の動きが広がっている」と指摘し、経済の下支えと物価上昇に見合う賃上げが必要だとして、金融緩和を継続する考えを改めて強調した。利上げは「全くない」と言い切った。
更に円安が進み、輸入品の価格が上昇すると見られる。
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