パナソニック エナジーと米国カンザス州は7月14 日、同州への投資誘致補助金制度である Attracting Powerful Economic Expansion(APEX)へのパナソニック エナジーの申請についてカンザス州が承認したことを共同で発表した。
カンザス州が州内への投資を誘致するために設定した補助金制度で、特定事業領域において、総額 10 億米ドル以上投資をすることに同意した適性ある企業に対して適用される。
カンザス州はパナソニックが投資と雇用を完了した後、補助金として過去最大規模の8億2900万ドルを払う。
パナソニック エナジーは2022年4月設立で、エナジーデバイス事業部(乾電池、リチウム一次電池、ニッケル水素電池)、モビリティエナジー事業部(車載用円筒形リチウムイオン電池)、エナジーソリューション事業部(小型リチウムイオン電池、蓄電モジュール、蓄電システム)を持つ。
パナソニック ホールディングスの取締役会の承認が得られた場合には、カンザス州が車載用リチウムイオン電池の製造工場の立地先となる予定。「新しい工場の場所、生産能力も含めた具体的な中身についてはまだ何も決まっていない」としているが、候補地としてカンザス州 De Sotoを挙げている。最大で 4,000 人の新規雇用と約40 億米ドルの投資を生み出すと期待している。
米ホワイトハウスは7月13日、「中国が優位にたつリチウムイオン電池市場で、米国で完結するサプライチェーンを構築する取り組みだ」との声明を発表した。
NHKは3月4日、パナソニックがEVの新型電池の生産を強化するため、アメリカで工場用地を取得する方針を固めたと報じた。
Teslaへの供給を想定し、数千億円規模の大型工場とすることを視野に、量産技術の確立などを急ぐとした。Teslaは現在、新たな工場をテキサス州で建設しており、パナソニックでは、この工場に近い、南部のオクラホマ州や、中西部のカンザス州の土地を候補とする。
パナソニック エナジーの社長は6月1日の投資家説明会で、車載用電池の生産能力について、北米を中心に2028年度にかけて3─4倍への拡大を目指すと語っていた。
同社が和歌山県の工場で量産を予定する新型車載用リチウムイオン電池「4680」(直径46mm×長さ80mmの円筒形電池)については、2023年度から北米市場で戦略パートナーに供給する。同社が現在量産している円筒形車載電池は「1865」(直径18mm×長さ65mm)と「2170」(直径21mm×長さ70mm)の2種類だが、「4680」は、「2170」に対して体積を5倍以上にして、容量を大きくしたのが特徴。電池1つ当たりの容量を大きくすれば、自動車1台に搭載する電池の数を減らせる。
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パナソニックは2014年10月1日、リチウムイオン電池セルを生産する新会社 Panasonic Energy Corporation of North America をネバダ州 Sparksに設立した。
新会社は、同社とTesla Mortorsが連携して設置を検討してきた大規模電池工場ギガファクトリー内で、リチウムイオン電池の生産を行う。
2014/10/8 パナソニック、リチウムイオン電池の生産会社を米国に設立
現在 この工場は世界最大級のリチウムイオン電池工場であり、車載電池セルの出荷数は 60 億個を突破している。今後もネバダ州 Sparksでの事業を続けていくが、カンザス州で検討されている新工場は、米国の EV 産業の発展に対するパナソニックの長期的なコミットメントを表すものであるとしている。
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