2022年7月28日、新疆ウイグル自治区の烏魯木斉(ウルムチ)国際陸港エリアで、布地や綿糸などの貨物204トンを満載したコンテナ専用列車、中国・キルギス・ウズベキスタン Road and Rail 国際貨物便の列車が出発した。
同便は南疆鉄道経由で新疆ウイグル自治区のカシュガル駅に到着すると、鉄道輸送から道路輸送に切り替わり、キルギスとの国境の伊爾克什坦(イルケシタム)通関地から出国し、最終的にウズベキスタンのタシケントに到着する。
1) 烏魯木斉→Kashghar 南疆鉄道
2) Kashghar→Tashkent 道路輸送
(ウズベキスタンのAndizhanとTashkent間は鉄道が通じている。これを利用するのかどうかは不明)
同便は全行程にわたりコンテナが鉄道と道路を移動する国際複合一貫輸送方式を採用している。
国際定期貨物列車「中欧班列」の複合一貫輸送という新ルートをめぐる新たなブレークスルーを実現したもので、1回の貨物の依託、1回の料金支払い、1枚の書類、1件の保険で、道路区間と鉄道区間の輸送引受人がそれぞれに貨物を運んで、輸送の全行程を完了させる。
鉄道輸送と道路輸送の優位性を結びつける上で効果的であり、輸送の時間的効率を大幅に向上させ、中国と中央アジア諸国との商業貿易往来により便利でスピーディなルートを提供することになった。
ーーー
KashgharとAndizhanを鉄道で結び、既存のAndizhanーTashkent間の鉄道と接続する計画は25年以上前からあった。 ロシア案と中国案があり、それぞれに問題があって、永く棚上げになっていた。
Tashkentから西は、トルクメニスタンとの国境近くのBukharaでトルクメニスタンの鉄道と接続し、カスピ海岸のトルクメンバシに至っている。
この鉄道路線計画がようやく動き始めたきっかけは、5月16日にモスクワで開催された集団安全保障条約機構首脳会合で、キルギスのザパロフ大統領がプーチン大統領を説得したからだという。 プーチン大統領は中国案を承認したとされる。
これを受け、中国の王毅外相は6月8日、カザフスタンの首都ヌルスルタンで開催された「中国+中央アジア5カ国」外相の第3回会合に出席し、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道着工を約束した。
同路線が設置されれば、「欧州までの路線距離はロシア経由に比べ900キロ短縮され、輸送時間は7~8日間短くなる」という。
コメントする