ペロシ米下院議長の台湾訪問に対抗して8月4日から軍事訓練を実施した中国は8月11日、1993年と2000年に続いて3度目となる台湾白書を発表した。
「台湾問題と新時代の中国統一事業」という白書で、中国は「一国二制度と平和統一」を戦略として前に出した。
白書はまず、「台湾は中国の一部だという歴史的、法的事実に疑いの余地はない」とし、台湾統一の歴史的正当性を強調した。
中国は1971年の第26回国連総会で「中華人民共和国は中国政府を代表する唯一の法的代表者」という2758号決議案を通過させた。
続いて1978年に「外交関係樹立に関する共同コミュニケ」で「米国は中国が唯一の法的政府であることを認め、台湾とは文化、商業、その他の非公式的関係を維持」することにした。
白書は、「事実を歪曲し、一つの中国の原則を否定するすべての行動は失敗に終わるだろう」と警告した。
白書は統一の正当性を前提にした後、「平和統一と一国二制度」を戦略として強調した。核心は、両岸(中国と台湾)の長い間の政治的違いを認めながら統一を推進するというもので、「統一を促進するために両岸の多様な政党と各界要人の民主的協議を推進する用意がある」とした。
一国二制度は「中国特色社会主義の偉大な構想であり、中国共産党が平和統一を達成するために用意した重要な制度的装置」と強調した。
「これは台湾の現実を十分に考慮すると同時に、統一後の台湾の長期的な安定に寄与する」とし「統一以降、台湾が本土と異なる社会制度を施行することが可能で、法に基づき高度な自治権を行使できる。2つの社会制度が長く共存発展するだろう」とした。
なお、1993年と2000年の過去2回の白書は、統一後に「台湾に駐留軍や行政官を派遣しない」とし、台湾が中国の特別行政区となった後も自治を認める方針を示していたが、最新の白書にはそのような文章は消えている。
また2000年の白書は、台湾が一つの中国の概念を受け入れ独立を追求しない限り「何でも交渉できる」としていたが、今回の白書からはそれも消えている。
白書は「それぞれ異なる体制は統一の障害物でも分断の口実でもない」とし「時間が経過するにつれて多くの台湾同胞が『一国ニ制度』を理解することになる」と断言した。
統一を妨害するのは政治制度の差でなく外部勢力の介入のためという認識で、「米国の一部の勢力が中国を統制するために意図的に『台湾カード』を使用し、『台湾独立』勢力を刺激している」とし「これは中国政府の平和統一努力を妨害するだけでなく、中米関係を転覆させ、米国の利益に深刻な被害をもたらすだろう」と指摘した。
台湾の対中国政策を主管する大陸委員会は、白書は「希望的観測の嘘に満ち、事実を無視している」と非難した。
中華民国は主権国家であり、中共政権は1日たりとも台湾・澎湖・金門・馬祖を統治したことがない。その事実を捻じ曲げた「一つの中国原則」は国連憲章を誤って引用することで台湾に対する主権をでたらめに主張し、国際ルールに挑戦している。
中国共産党第20回全国代表大会を控えて国内に向けたものであり、嘘でかためた宣伝工作に過ぎない。
台湾は主権国家であり「台湾の将来を決める権利があるのは2300万人の住民だけで、独裁政権が決めた結果を受け入れることは決してない。
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